「都立の星」から「巨人の星」へ。巨人にドラフト4位指名を受けた三菱パワー・伊藤優輔投手(23=中大)が、横浜市内の同社で榑松スカウト部次長と円谷スカウトから指名あいさつを受けた。

高校時代、小山台のエースとして都立校で初めてセンバツに出場した経験を持つ。現役のNPB選手で都立校出身者は日本ハム秋吉、ソフトバンク石川、オリックス鈴木優、ロッテ佐々木千に続く5人目。「都立高校出身でも上のレベルで通用するところを野球やってる選手たちに伝われば」と希望の星を目指す。

母校は今でも気にかける存在で、時折練習に顔を出しては、大学、社会人で学んだ知識を還元してきた。小山台の福嶋正信監督(64)も「投手陣が育つのは伊藤のおかげなんです」と感謝する。伊藤は「なかなか上で続けている人も少なく技術を還元できる人がいない。そういう面でも少しでも役に立てればと思って顔を出してます」と後輩たちを思った。

後輩たちは今秋、帝京を6回コールドで下すなど、旋風を巻き起こした。伊藤の「バランスを大切に」というアドバイスで飛躍を遂げた今秋のエース木暮瞬哉投手(2年)は帝京、日大三の強豪2校を相手に1つの自責点も許さなかった。

大学、社会人ではさらに高いレベルで投球を磨き、最速155キロの直球を武器にする。榑松次長は「投手としてのバランスが良い。即戦力として、当然1年目から1軍で頑張って欲しい。その力はあると思います」と期待の星だ。目標に掲げた「開幕1軍」で公立校の球児に勇気を与える。【小早川宗一郎】