日の傾きかけた宮崎の空に、とんでもないカミナリが落ちた。阪神平田勝男2軍監督(61)が、みやざきフェニックス・リーグに参加中の若手投手陣を一喝した。日本ハム戦(生目第2)に1-8で完敗し、投手陣全員がサブグラウンドで試合中にミスのあった投内連係のノックを行っている時だった。

「お前ら笑ってる場合か! ふざけるなよ! なんで笑顔が出るんだよ! 野球なめてんのか! あのプレーで負けたんだぞ馬場! 同好会じゃないんだよ! なんでヘラヘラできるんだ!」

口角泡を飛ばし、速射砲のように怒声が響いた。

試合は先発馬場が一塁手片山との連係ミスから失点を重ねるなど、5回5失点(自責4)と乱調。課題を克服する練習だったが、当の馬場らが緊迫感を欠き、笑みを浮かべる選手さえいた。甘い空気に耐えかねた指揮官は、鬼の形相で叱咤(しった)したわけだ。約2分間のカミナリを挟んで、投内連係のノックは再開。1時間に及んだ練習後、投手がマウンドから一塁へベースカバーに入る動線にはわだちができていた。

練習後、平田2軍監督は再び選手たちを集め、厳しい口調でくぎを刺した。

「ミスした後、真剣にやろうよ! なんで笑ってやれるんだよ! 練習に緊張感がない。だから失敗するんだよお前ら! もっと1つのプレーの重みを感じろ! 馬場! 何を1軍で今年は経験させてもらってたんだ! もっとよく考えて、大事なプレーなんだよ! 笑ってなんかやれないはずだよ! ピッチャーはそういう甘さがあるよ! 真剣にやれ!」

無観客で開催されており、公開説教こそ免れた馬場は「大事なプレーなので、ファーストの人とうまく連係しないといけない」と神妙な表情で、気を引き締めた。若手の育成を目的とするフェニックスリーグは29日で閉幕する。選手たちは心を入れ替え、今季ラストゲームとなる楽天戦に臨む。【奥田隼人】