西武が「負の歴史」に終止符を打った。増田達至投手(32)が4日、国内FA権を行使しての残留を表明した。前日3日に球団に意思を伝えた増田はオンライン会見で「生涯ライオンズでやっていきたい」と宣言。連絡を受けた渡辺GMは「ここ何日間はすごく緊張している状態でした。我々にとっても一番重要視していたし、ファンの方もすごく気にしていましたし、残留が決まった瞬間はホッとしました」とうなずいた。

西武のFA交渉は流出の連続だった。近年では16年岸、17年野上、18年は浅村、炭谷が国内移籍。昨オフは秋山がメジャーに戦いの場を移した。10年間で国内外合わせて13人がFA移籍を選択。西武にとって、14年オフ以来6年ぶりのFA流出0となった。

増田には、FA交渉では球団史上最長となる最大4年総額12億円超えの大型契約を用意した。評価を条件でしっかりと示した上で、交渉でも必要戦力という意思を明確に伝え、引き留めに成功した。渡辺GMは「決めぜりふはないです。とにかく残留してほしいという誠意を見せました。球団、会社の方がそういう部分(金額)でも頑張ってくれていると思います」。チームにとっても、球団にとっても、大きな意味を持つ“補強”に成功した。【栗田成芳】