昨季限りで阪神を退団した伊藤隼太外野手(31)が独立リーグの四国IL・愛媛に入団することが22日、決まった。野手コーチ兼選手としてプレーする。

自身のインスタグラムでは「気持ちも晴れやかになるとともに、新しい土地へ行く不安な気持ちよりも、今はワクワクやドキドキといった感情の方が大きく勝っています」と心境を表現。「もう1度、思い切り野球できるチャンスを与えてくれた球団には感謝の気持ちしかありません。このチームに恩返しがしたいという新たなモチベーションと、優勝という明確な目標に向かってまい進するつもりです」と決意表明した。

11年ドラフト1位で阪神に入団も19、20年は1軍出場なし。昨年3月下旬には新型コロナウイルスに感染。11月4日に戦力外通告を受けた。「チャンスをもらったのに、それを生かせなかった」。以降はトレーニングを続けながら他球団移籍の道を模索。12月7日の12球団合同トライアウトにも参加し、元巨人の田原から右中間二塁打も放った。

年末には自身のYouTubeチャンネルであらためて現役続行の意思を表明。国内外問わずプロ球団への移籍を目指したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、海外チームとの交渉もまとまらなかった。そんな状況で愛媛からオファーが届き、感謝の思いを胸に入団を決断。「あくまで選手としてやらせてもらうことになりますが、コーチをさせてもらう経験もいい勉強になると思っています」。この日、球団から正式発表された。

元虎戦士では19年オフに阪神から戦力外通告を受けた歳内が昨季、四国IL・香川でリーグ最優秀防御率と大活躍し、シーズン途中の9月にヤクルト移籍を果たしている。伊藤もNPB復帰、海外プロ球団への移籍を目指し、新たなユニホームに袖を通す。【佐井陽介】

◆伊藤隼太(いとう・はやた)1989年(平元)5月8日生まれ。愛知県出身。中京大中京から慶大を経て、11年ドラフト1位で阪神入団。12年9月27日ヤクルト戦ではプロ初本塁打を満塁本塁打で記録した。18年は自己最多の96試合出場。1軍通算成績は365試合出場で打率2割4分、10本塁打、59打点。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。

◆愛媛マンダリンパイレーツ 四国IL初年度の05年からリーグ優勝7回、リーグ年間優勝2回。15年は初の年間総合優勝を果たし、独立リーググランドチャンピオンシップも制覇。16年は前後期Vを飾った。現在は元巨人の河原監督のもと、日本ハム、阪神、ヤクルトなどで活躍した正田も所属。OBでは元巨人の土田、元日本ハム、ロッテの金森らがNPB球団でプレー。