チームのピンチを、自身のチャンスに替えた。

日本ハム万波中正外野手(21)が、楽天戦の6回2死三塁、中前適時打を放ちプロ3年目で初打点を挙げた。チーム内での新型コロナウイルス感染拡大を受け、特例2021代替選手として出場選手登録された。活動再開後最初の試合でスタメン出場し2安打を放って、巡ってきたチャンスを生かした。

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日本ハム万波が、プロ3年目で初打点をマークした。4点リードの6回2死三塁。直球系に食らい付き、打球は横浜高の大先輩、涌井が伸ばした左手を抜けて中前適時打。一塁ベースを踏むと、惜しみなく右拳を揺らして歓喜した。出場11試合23打席目での節目。「涌井さんはプロに入ってから一番対戦したい先輩だった。何より、札幌で打てたのが本当にうれしい」と、かみしめた。

貪欲に、チャンスを結果に変えた。4月10日オリックス戦でプロ初安打。同26日に出場選手登録を抹消されたが、新型コロナウイルスで陽性判定となった今川の代替選手として、今月1日に再登録された。「僕みたいな若い選手にとってはチャンス。絶対に結果を残すという気持ちで札幌に来た」と闘志むき出しで臨んだ。

飽くなき向上心が超・朝型に変貌させた。2軍では午前7時10分にビジターへチームバスが出発となると、5時に起床。練習時間を確保するために逆算し、バットを振ってきた。再昇格後から世代を超えた名曲、広瀬香美「ロマンスの神様」を登場曲に使用。野球の神様は万波にほほ笑んだ。【田中彩友美】

▼万波が6回に中前適時打を放ち、プロ3年目で初打点を挙げた。1年目の19年は2試合に出場し、4打数無安打。昨季は1軍出場がなく、今季は4月10月のオリックス戦に7番右翼で初出場し、プロ初安打を記録。この日は今季5試合目の先発で、第2打席には二塁打を放っており、4打数2安打1打点。複数安打もプロ初めてだった。