2位の九産大が首位九共大に3-2で先勝し、4季連続優勝(新型コロナウイルス感染拡大で中止の昨春を除く)に逆王手をかけた。連勝すれば勝ち点4で並ぶが、勝率で上回る。中村貴浩外野手(3年=九州国際大付)の2ランなどで3点を奪い、投げては最速151キロ右腕、渡辺翔太投手(3年=北九州)が2失点完投。15日の降雨ノーゲームの影響もなく、投打がかみ合った。17日の次戦で勝った方が優勝する。

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渡辺翔が、113球2失点完投で逆王手に貢献した。剛球に加え、決め球のパームボールと2種類のカットボールを駆使して九共大打線を翻弄(ほんろう)。9回1死三塁から「全力で行った」と力のある直球で2者連続で内野ゴロに打ち取り、最少リードを守りきった。逆転優勝へ「明日(17日)勝ったら優勝。頑張ってほしい」と、仲間たちにあと1勝を託した。

15日は降雨ノーゲームで「昨日の夜はそわそわして眠れなかった」と明かすも、集中力は切れず。大久保哲也監督(58)が「真っすぐと変化球のコンビネーションで打ち取る投手。コントロールが良かった」とねぎらう力投を見せた。

九共大先発の木村仁(2年)は北九州(福岡)の1学年後輩。「後輩に負けたくなかった。木村より先に(マウンドから)降りたくなかった」と燃えていた。験も担いだ。高3夏の北福岡大会準決勝前に伸びた髪を切り、折尾愛真に敗退。悔しい夏を思い起こし「3月に切ってからリーグ戦中は切っていません」と、伸び気味の丸刈り頭をなでた。執念で、今季5勝目をつかんだ。【菊川光一】

○…3番・中村貴が、先制2ランを放った。1回1死一塁で直球をジャストミートし「ファーストストライクを打とうと、思いきり行った。完璧だった」と、今季3号の右越え弾。勝てば逆転優勝が決まる17日に向け「気持ち入れて、マジ勝つだけ。歴代の先輩が積み上げてきたものを、自分たちで切ってはダメ」。春秋通算43回目の優勝へ、気合を入れた。