日本ハムのドラフト1位、伊藤大海投手(23)が“初タイトル”を手にした。17日、NPBから「日本生命セ・パ交流戦」の表彰選手が発表され、新人では史上初の防御率と勝利数で投手2冠に輝いた右腕が「日本生命賞」を受賞した。ルーキーが同賞を受賞するのも初で、球団では17年松本剛以来5人目。賞金100万円もゲットした道産子ルーキーは、栄誉にもおごることなくリーグ戦再開へ向けて気を引き締めた。

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交流戦投手2冠に輝いた快投から一夜明け、伊藤に新たな朗報が舞い込んだ。両リーグから1人ずつ選出される「日本生命賞」を受賞。“初タイトル”に「素直にうれしいです。勝ちたいという強い気持ちだったり、チームのために力になりたいという思いが、このような賞につながりました」とコメントした。交流戦の最優秀防御率(0・90)を新人が獲得するのは史上初だったが、同賞の受賞もルーキー初の快挙だ。

伊藤 本拠地で勝てたのは自分の中ではプロ初勝利のような感じがしましたし、一気にプロ野球選手としてのスイッチが入ったマウンドだったと思います。

振り返ったのは交流戦初登板となった5月28日中日戦(札幌ドーム)。本拠地初勝利を挙げた試合後のヒーローインタビューで「絶対にファイターズのエースになれるよう頑張ります」と宣言してから、快進撃が始まった。「日本生命賞」は球団では4年ぶり5人目、17年松本剛以外は各シーズンのエースが受賞してきた。09年はダルビッシュ、12年は吉川、そして16年は大谷。次代のエースを狙う伊藤にとって、ふさわしい栄誉を手にした。

交流戦中に発揮した自己成長力も見逃せない。中日戦から2段モーションを導入。「体全身を使って投げるフォームの方がいいかな」と登板2日前にひらめき、ブルペンで試し、すぐに結果につなげた。直球の力強さを取り戻し、配球も真っすぐ中心に見直すことで安定感が生まれた。

課題を克服する方策を自ら考えて行い、結果につなげる。プロで成功するために必要な素養を持つことも証明した交流戦だった。「いい形で交流戦を終えることができたので、これからも1戦1戦、おごることなく自分の力を出せるように全力を尽くします」。最下位からの大逆襲へ-。日々成長を続けるルーキー右腕は必死に、チームへ追い風を吹かせ続ける。【木下大輔】

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