日本ハム加藤貴之投手(29)の好投も実らなかった。

20日、ソフトバンク12回戦(ペイペイドーム)に先発。5回、柳田に同点ソロを献上したのみで8回2安打1失点と粘ったが、味方の援護に恵まれず4勝目はならなかった。チームは2試合連続で引き分けとなったが、交流戦明け最初のカードを勝ち越した。

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奮闘は実らなかったが、すがすがしく吹っ切った。加藤は8回2安打1失点の好投も、4勝目はお預け。「“たられば”になっちゃうけど本塁打がなかったら、もしかしたら勝っていた。悔やんでも仕方ないので次回、また相手が変わるので次は頑張りたい」と潔く結果を認めた。

初回からギアを上げて臨んだ。栗山監督から「(ベース配分は)気にせず、思い切り投げろ」とリミッター全開の指令が出た。5回、柳田にソロを浴びた以外は、流れるようなテンポを刻み、相手打線に的を絞らせなかった。

前回登板の9日阪神戦で5回途中、今季ワースト7失点でKOされ出場選手登録を抹消された。ブルペンで投球フォームを見直すなど、リベンジの舞台へ整えた。「チームに迷惑をかけていたので、今日は緊張していた」と奮起した。

栗山監督は「素晴らしかった」とたたえた。チームは2試合連続の引き分けで、交流戦明け最初のカードを1勝2分けで勝ち越し。指揮官は「流れが出来はじめている」と、収穫ありの3連戦をかみしめた。

この日は父の日。加藤は出身地、千葉・南房総で牧場を営む父晃生さんへ思いをはせた。「本当に何不自由なく野球をやらせてもらった。しっかり今は活躍して、長く野球選手をできるように恩返ししたい」。誓いを立て直し、上位浮上へ左腕を振り続ける。【田中彩友美】