プロ野球、サッカー・Jリーグなどでプレーする外国人の家族の入国が、認められる運びになった。政府関係者は、所管省庁が8月に入って各団体に入国を認める措置を通知したことを明かした。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が21都道府県に発出、12県でまん延防止等重点措置が取られている。全国的に危機的状況に陥っているタイミングを考えると、異例の適用といえる。

政府関係者は「実はNPB、Jリーグなどから個別はあっても、団体としての要望はなかった。東京五輪が閉幕したからとか、感染状況を考えて家族の入国を認める決断に至ったわけでもない」という。

政府は昨年からコロナの水際対策として、外国人の新規入国を停止している。今年は変異株流行で「レベル2」「レベル3」とも完全クローズ、現在も全世界からの入国を拒否している状況だ。

今年3月以降、選手が入国したのは「特段の事情」として認められたからだった。しかし、その家族については認められない状態が続いていた。家族愛の強い外国人にとって単身の“出稼ぎ”は、心細かったに違いない。

この間、オリックス・ディクソン、ロメロ、西武メヒア、ソフトバンク・レイ、楽天コンリー、巨人スモークらが続々退団。例年なら普通に来日できるはずの「家族」と一緒に過ごせないことが、最大の理由だった。

政府関係者は「特段の事情で入国した外国人の配偶者、子供について入国を認めたのは、政府間で整理し、再検討した結果だ。人道上配慮すべき事情があると判断し、政府間で共有された」と説明する。

出入国管理を所管する法務省幹部は「コロナ禍とはいえ、国をまたいで父親が日本で働いていることを子供が理解し、行こうと思ったら会えるのが分かっていても、テレビで世界がロックダウンしている映像を見せつけられてメンタルを病んでしまうケースもあるようだ。家族の分離状態は考慮の対象として看過できなかった」と緩和の理由を語った。

今シーズンは特に外国人のパフォーマンスがチーム成績に反映されている。今回の措置は当事者にとっては朗報で、今まで以上にモチベーションが上がって力を発揮するかもしれない。【寺尾博和編集委員】