ロッテ藤原恭大外野手(21)は興奮した。

「すごかったですね。僕が見た中でナンバーワンのプレーです」

1点をリードする8回1死二、三塁。日本ハム西川が、佐々木千の2球目をセンター返しした。

「絶対に抜けてきたわ…と思って。2人かえられたと思いながら追いかけていたら。あれで勝ったような試合だったので、すごいなと思いました」

藤原の視界から、ライナーが消えた。遊撃のアデイニー・エチェバリア内野手(32)が瞬時に飛びつき、手足をまっすぐに伸ばしてつかんでいた。

エチェバリアは両手を強くたたき合わせ、尻を突き、両足を投げ出した。三塁に走者がいる中、そちらはケアせず、二塁中村奨にぽーんとボールを投げる。「ナイスプレー」とほめた井口監督も「ああいうところ、ちょっと抜けてるので」と指摘を忘れなかったが、それほどエキサイティングなプレーだった。

理由もある。

「佐々木千隼投手が(9月7日の)オリックス戦で投げた時に、僕がエラーして負けてしまったので、どうにか彼の役に立ちたいと思っていました」

ストップウオッチで計測した。バットに当たった瞬間から1・15秒後、3・5メートルほど横に伸びてきたライナーを、がっちりつかみ捕っていた。【金子真仁】

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