楽天が、今季132試合目にして初のサヨナラ勝ちを飾った。1-1で迎えた9回1死満塁、2番岡島豪郎外野手(32)が、ソフトバンク森の初球を右前にはじき返して熱戦に終止符。べテランの一打でシーズン最終盤“勝負の8連戦”の初戦をものにし、首位オリックスと3・5ゲーム差とした。

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全員でつないだチャンスを、一振りでものにした。9回1死満塁、値千金のサヨナラ打を放った岡島は、本拠地お立ち台で「ほんとに素直にうれしいです。積極的に行こうと思っていたので、それがいい結果になって良かった」と笑顔。仲間たちのウオーターシャワーによる手荒い祝福を受けた感想を「寒かったです」と答え、笑いを誘った。

かねて「勝負はまだ先」と話していた石井GM兼任監督も「ここだと思います」と認める“勝負の8連戦”で役割を果たした岡島は「こういう状況でも縮こまらずに出来ているというか。もちろん緊張はしますけど、いつも通りのプレーでゲームに挑めている」と納得の表情。13年の前回優勝を知らない若手世代も増える中で、自身の役割については「どんな時でもチームの先頭に立ってやっていけるようにと常に思っています。若い選手を見てると、当時の僕みたいだなと思います。一生懸命やってくれているんで、ありがたい」と話した。

捕手として入団も、優勝した13年から外野手としての出場が増え、14年から外野手登録に変更。チーム事情などから19年に再び捕手登録となるが、翌20年からは再び外野手登録となるなど、紆余(うよ)曲折を経ての活躍。これまでのキャリアを振り返り「いや~、ほんとうれしいですね。自分自身が一番うれしいと思います」と笑顔。「今までいろんな回り道をしたし、無駄な努力かもしれないことをたくさんやってきたし。ただそういうのも、続けてきて良かったなと、あらためて思いますね」と充実した表情を浮かべた。

残りは11試合。「1試合も負けられない戦いが続くので、明日もしっかり勝てるように頑張りたい」と岡島。前回優勝を知るベテランが最後までチームをけん引していく。【鈴木正章】

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