ヤクルトが6年ぶり8度目のリーグ優勝を果たした。

今季は東京オリンピック(五輪)のため、初めてペナントレース中に長期中断があった。前半戦を勝率5割6分8厘の3位で終了したヤクルトは、五輪後の後半戦が31勝18敗9分け、勝率6割3分3厘。セ・リーグで後半戦の勝率6割以上はヤクルトだけだ。チーム113試合目の9月22日に初めて首位に立ち、セ・リーグで100試合以上消化してから初首位のチームが優勝は08年巨人以来2度目だった。

後半戦の快進撃を支えたのが投手陣。1試合の平均得点は前半戦4・41点→後半戦4・33点でほぼ同じだったが、防御率が3・81から2・93と良くなり、平均失点は前半戦の4・04点から3・16点に減った。注目したいのが先発投手の防御率。前半戦の先発防御率はリーグ5位の4・17だったが、後半戦の先発投手は22勝11敗で防御率2・84。後半戦の先発防御率が2点台はヤクルトしかない。奥川が前半戦4・19→後半戦2・25、サイスニードが5・09→2・56と、この2人で後半戦は10勝3敗。石川、高橋、原の3人は自身には白星があまり付かなかったものの、先発した時のチームは11勝7敗7分けだった。先発投手がしっかり試合をつくって清水、マクガフの救援陣につなぐ野球が確立され、後半戦の勝率が6割を超えた。

前回優勝の15年は救援投手の防御率はリーグ1位の2・67も、先発投手はリーグ5位の3・68。16年から先発防御率は5年連続リーグ最下位と、長年の課題が後半戦に入って解消。高津監督が五輪で中断した1カ月の間に投手陣を整備してリーグ優勝をつかんだ。【伊藤友一】