阪神糸井嘉男外野手(40)は「新庄イズム」で来季頂点を狙う。5日に「オンライントークショー」に出演。「ビールかけしたら辞めます」とジョーク交じりに決意表明。日本ハム時代の同僚だった新庄剛志監督(49)と日本シリーズで対戦することに意欲を燃やした。

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糸井の口から思わぬ引退宣言が飛び出した。

来季の意気込みを問われると、「何よりビールかけしたいですね。もう1回。それだけですね、もう。(ビールかけ)したら辞めます」。冗談めかした言葉に、優勝への熱い思いを込めた。これこそ「新庄イズム」だ。今年の春季キャンプで宜野座を電撃訪問した新庄監督から「引退するぐらいの気持ちでやれ」とハッパをかけられていた。41歳を迎える来季へ、覚悟をもって臨む。

BIGBOSSとの「再会」が原動力になる。04年がプロ1年目の糸井にとって、同年メッツから日本ハムに入団した新庄監督はいわば“同期入団”。来春からは敵将として交流戦や日本シリーズで対戦する。「そりゃ楽しみですし、ワクワクします。1軍におれるように頑張らなアカンな」と胸を躍らせた。古巣オリックスが進出した今年の日本シリーズを解説者として生観戦。自身は12年を最後に、日本一を決する舞台から遠ざかっている。「すごく刺激はもらいました。野球選手はやっぱりここを目指しているんだな、と思いました」。リーグ優勝を果たし、新庄監督率いる日本ハムとの対戦が実現すれば最高だ。

今季はスタメン出場が前年の74試合から15試合に減ったが、代打の切り札として活躍。「若い子たちが最初に活躍して、ずっと首位を守ってたんですけど、後半まくられて、悔しかったですね。優勝狙えた位置まで行けたので、悔しかったシーズンでした」と振り返る。来季も今年同様に、春季キャンプからアピールする考えだ。「昨シーズンも結果もそこまで良くなかったし、レギュラーは違うなと自分の中で思っていた。オープン戦、練習試合で早く出ないと自分の立ち位置はないと思って。それは今も同じですけど」。パで旋風を起こす新庄BIGBOSSに負けじと、虎のベテランも日本一へ躍動する。【前山慎治】