満身創痍(そうい)状態の阪神が、中日にサヨナラ負けを喫し、引き分けを挟んで5連敗となった。勝率はわずか6分7厘となり、16試合時点では79年西武の7分1厘を下回り、プロ野球最低となってしまった。

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開幕からわずか1勝と苦戦が続くが、さらに苦境に陥った。この日、江越大賀外野手(29)、藤浪晋太郎投手(28)、伊藤将司投手(25)が新型コロナ陽性判定を受けた。12日に濃厚接触の疑いで抹消されていた江越以外の2選手と、濃厚接触疑いの馬場皐輔投手(26)と山本泰寛内野手(28)は、特例2022対象選手として出場選手登録を抹消された。まさに泣きっ面にハチ。伊藤将はこの日の予告先発だったが、急きょ小川一平投手(24)が先発し、5回途中無失点と“代役”をしっかり務め、その後は継投で中日打線の攻撃をかわした。

前日大幅に改造したが不発に終わった打線は、近本光司外野手(27)が1番、前日スタメンを外れた糸井嘉男外野手(40)が3番、糸原健斗内野手(29)も6番に入るなどこれまでのオーダーに。近本、中野拓夢内野手(25)の1、2番がヒットを打ち、盗塁も決めるなどチャンスメークするが、3番以降が沈黙。投手陣を援護できない。

互いに決定打が出ないまま、0-0の延長10回1死一、二塁。2イニング目に臨んだ加治屋がつかまった。2ストライクからの3球目。ストライクゾーンに入ったフォークを大島に捉えられ、前進守備の右中間を破られた。

矢野監督の言葉にも力はない。「みんなの状態がめちゃくちゃ悪いわけじゃないけど、1人1人の状態が上がってこないと。ちょっとつながりにくい。もちろんホームランとか出てくれればいいんだけど、1人1人の状態を上げてもらうっていうとこかなと思うけど」。

首位巨人とは10ゲーム差に開いた。

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▼阪神が早くも今季2度目の5連敗を喫し、今季の成績が1勝14敗1分け、勝率6分7厘。開幕直後に開幕から連敗したチームの「勝率・000」はよく見かけるが、勝率・000のケースを除くと、これまでは55年トンボが14試合目(1勝13敗)79年西武が16試合目(1勝13敗2分け)と前日に阪神が記録した7分1厘がシーズン途中での最も低い勝率。阪神の勝率6分台はプロ野球史上初の珍事だ。勝率6分台は1勝の時は14敗、2勝ならば27敗が条件となるため、過去に記録した例がなかった。ちなみに、シーズン終了時の最低勝率は37年春にイーグルスが記録した2割1分4厘(12勝44敗)。