広島入団が決まった秋山翔吾外野手(34)が30日、マツダスタジアムで入団記者会見した。秋山がつけることになったカープの「背番号9」をつけ、現役で一時代を築き、監督としてチームを3連覇に導いた緒方孝市氏(日刊スポーツ評論家)が背番号にまつわる“秘話”を明かし、秋山加入の効果を語った。【聞き手=編集委員・高原寿夫】

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秋山から球団に連絡が来て、すぐのタイミングで鈴木球団本部長から連絡をもらいました。「本人も希望しているし、9番にするけどいいか」という内容でした。こちらにすれば光栄なことですし、もちろん、すぐに賛成しましたね。

自分は恩師である三村さんの背番号をつけた形だったので当時、とても恐縮しましたが、そもそも永久欠番にならない限り、背番号は時代に応じて新たな選手がつけるもの。丸が抜けた後、9番は空いていたのでうれしいですね。

今回の秋山の獲得は広島にとって大きいと思います。西武での実績、メジャーでの経験もあるし、年齢は重ねていますがまだまだ動けるはず。3拍子そろった選手だし、打順も1、2番、あるいはクリーンアップも任せられるでしょう。

何より選手たちへの刺激になります。外野にはベテランという存在もおらず、中堅・若手ばかりの中、こんな選手が加入すれば今、スタメンで出ているメンバーもウカウカはしていられないし、これ以上ない刺激になるはず。彼の培ってきた知識も他の選手にとってヒントになるだろうし、いい面ばかりの補強だと感じています。

広島がめずらしくフリーの選手を獲得したという見方をされているようですが過去、横浜を自由契約になった石井琢朗を獲得したし、FAでチームを去った新井貴浩を復帰させたこともあります。いたずらにビッグネームを追うことはないけれど、必要と思えば獲得に動く姿勢は以前からあるし、今回の秋山獲得もその流れだと思っています。