楽天西川遥輝外野手(30)が、コロナ隔離明け2試合目で大暴れした。「1番左翼」でスタメン出場し、3安打1四球2打点。復帰戦の前夜は9番で右翼フェンス直撃二塁打を放っていたが、1番復帰戦でリードオフマンとしての存在感を発揮した。石井GM兼監督も陽性判定を受け、しばらくは指揮官不在が続く。チームのピンチの中で復調の兆しを見せ、後半戦初勝利に大きく貢献した。

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帰ってきたリードオフマンが、存在感を見せつけた。西川は1点リードの2回2死一、二塁で、日本ハム田中の初球、144キロ直球を捉えた。ど真ん中を右前適時打。さらに4回2死三塁ではカウント1-1から、これも真ん中に入ったカットボールを中前へはじき返し、ベース上でガッツポーズ。昨季まで所属した古巣日本ハム相手に2打点の活躍。「打てたことによってベンチも少しでも盛り上がってくれればなと思って打席に入った」と、チームをバットでもり立てた。

前夜の後半戦初戦でようやく戻ってきたばかりだった。18日に新型コロナウイルスの陽性判定を受け、チームを離脱。隔離期間を経て、復帰戦では9番打者でフェンスの直撃二塁打を放っていた。この日は、石井GM兼監督が、陽性者と接触したため自主隔離という緊急事態。西川は試合中の談話で「休んでいたのでしっかり働きますよ。石井監督、見てくれていますか? 僕、頑張ってます」と、アピールした。

4月は3割6分を超えた打率が、5月以降は不振に陥り、2割1分6厘まで落ちた。復調の兆しを感じていた時に陽性判定を受け、離脱した。「症状的には本当に軽かったので、それよりもメンタル的にすごくへこんだ時期でしたね」。1軍戦はテレビで観戦。21安打17得点で圧勝した20日のソフトバンク戦に「打線が爆発して、ああいう点の取り方ができれば、絶対チームが勝つよなと思ってみていましたね」と、理想のゲームを思い描いた。

3安打は4月24日の西武戦以来3カ月ぶり。1四球含む4出塁で、1番打者としての役割を十分に果たした。1度チームを離れて、実感できたことがある。「いいチームだなと思いましたね、本当に」。リードオフマンとして、勝利の輪に加わった。【栗田成芳】