ロッテ佐々木朗希投手(20)が9回97球、4安打9奪三振で“1失点完投負け”した。投げきって、9回裏はベンチで打線にエールを送るも届かずガックリ。今季4敗目を喫したが、完投したことには「シーズン終盤で今日のように完投できたことは、すごく意味のあることだと思います」と収穫を口にした。9回完投は4月10日のオリックス戦での完全試合以来、自身15試合ぶりとなった。

1回表に1番福田、2番中川圭といきなりの連続セーフティーバントで始まった。「ちょっとビックリしました」。今季は3失策。フィールディングに課題があったが、その分練習も重ねた。3回まで3、4番以外の打者7人に、初球バントの構えをされた。36球中11球あったが動じない。「今日しっかりアウトを取れて自信になりました」。井口監督も「ああいう形が朗希にはあまり通用しなくなってきているので」と投手としての総合的な成長をほめた。

4回まで完全投球だった。5回無死から死球、安打とわずか2球で作ったピンチからの失点で、試合が決まった。遊ゴロでの先制の瞬間、オリックスベンチも走者も拍手した。相手からすれば、それだけの強敵。「今日みたいなムダな死球などをなくしていければ」。1失点完投負けでは、そう言うしかなかった。

敗れても主役だ。9回のマウンドへ向かう姿、9回に161キロを出す能力、1失点完投の好投に、万雷の拍手が響いた。これぞスターが生み出す興奮の空間。GM級含む10人以上のメジャー球団の関係者たちも、そこにいた。【金子真仁】

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