<楽天1-9オリックス>◇24日◇楽天生命パーク

雨中でも堂々の風格だった。オリックス山本由伸投手(24)が、3位楽天打線を7回86球2安打無失点に封じ、リーグトップの15勝目をマークした。勝率、防御率、奪三振などでリーグ1位を独走。2年連続の主要タイトル独占が濃厚となってきた。首位ソフトバンクと依然ゲーム差なしの2位。残りは3試合。若きエースは、中5日で本拠地最終戦となる30日ロッテ戦(京セラドーム大阪)で先発する可能性も残した。

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関西スポーツ紙に“輝”の文字が躍るたび、オリックス山本の“イジワル”な笑顔を思い出す。

今季の春先、山本は紙面の1面を見て言った。「毎日、テル見てるんで(笑い)。写真を撮って、たまに(LINEで)送ってますよ。『また始まった』って」。“輝”とは同学年の阪神佐藤輝のこと。阪神人気の高い関西では、スポーツ紙の1面を佐藤輝が飾ることも多い。チームメートの村西が近大の先輩で、佐藤輝を含めた3人のグループLINEで話題となるそうだ。

「なんとか、テルから(1面を)奪いたいですね」

そう宣言していたエースは、自身の快投で1面獲得できそうな時期に来た。「とにかく勝って(ファンに)恩返ししたい。全員で優勝しましょう!」。毎回、お立ち台で「全員」と言うのが周囲に感謝を忘れない山本らしく映る。

「今年はやっぱり能見さん。(現役)最後、優勝して、泣かせたい」

映える紙面を、涙でボロボロにする。【オリックス担当 真柴健】

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