感動を虎でも! 阪神大山悠輔内野手(27)が6日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約更改に臨み、3000万円アップの1億3000万円でサインした。前夜にはFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の日本-クロアチア戦の中継を生観戦。今年キャリアハイの87打点で、来季初の100打点も射程圏内の男は、侍ブルーから刺激を受け、決意を新たにした。

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大山は感動を抑え切れず、自ら切り出した。1億3000万円で契約更改を終えた直後。濃紺スーツに身を包んだ会見の席で「ファンへメッセージを」と振られた時だ。「ファンのみなさんに来年はもっと喜んでもらえるように」。続けて、「今日のサッカーもですけど、試合を見てて感動するのがスポーツの良さだと思う。喜んでもらえるように頑張りたい」と言った。

1次リーグから日本戦は全試合チェックしていたという。クロアチア戦は深夜スタートだったが、最後まで見届け心揺さぶられた。「諦めない気持ちがすごく大事だなと感じた。僕たち野球でも同じだと思うので、見習いながらやりたいと思います」。どんな時も全力疾走を怠らない男だ。画面越しで戦う侍に、共鳴しないはずがなかった。

プロ6年目はキャリアハイの87打点。6月の日本ハム戦では1試合3本塁打を放つなど、勝負強さは際立っていた。ただ、自身の成績について「全部物足りない」ときっぱり。「全部の面でもっともっといい数字を残せるように頑張りたい」と慢心はない。

8月にはコロナ感染で離脱。「もちろんフルイニングで出るのが一番。でも、ハプニングが起きても大丈夫なような準備が大事」。一塁固定起用される予定の来季こそ、初の全試合フルイニング出場が視野に入る。その先にはもちろん、自身初のシーズン100打点が射程圏内に入ってくるはずだ。

「サッカーもそうですけど、個人的に箱根駅伝も好きで毎年見てた」という背番号3。「(W杯や箱根駅伝が)終わった後に、すごく野球やりたいって気持ちになる」。サッカー日本代表が、これ以上ない刺激を与えてくれた。今度は虎党に感動を届けるため、鍛錬の冬を過ごす。【中野椋】(金額は推定)

○…昨年12月に結婚した大山にとって、夫人とともに戦う初めてのシーズンだった。「今までは1人でしたけど、今年1年は自分1人ではないシーズンだった。支えてもらったので、感謝の気持ちを奥さんにしっかり伝えたい」とコメント。「感情の浮き沈みが激しい中で、家に帰ると前向きな言葉をかけてもらえます。すごく助かった」と、「すごくポジティブ」だという夫人に感謝しきりだった。

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