日本ハム池田隆英投手(28)が11日、自主トレ中の千葉・鎌ケ谷で、再びつながった旧友との運命を喜んだ。球団はこの日、FA移籍した近藤健介外野手(29)の人的補償として、ソフトバンクから田中正義投手(28)を獲得したと発表。2人は創価高、創価大の同級生で、7年間、チームメートとしてプレーした。プロでも同じユニホームを着ることになり、切磋琢磨(せっさたくま)を誓った。

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不思議な縁に、思わず表情が緩んだ。自主トレのため、千葉・鎌ケ谷に現れた池田は「こんなこと、あるんだ~」と、笑った。創価高、創価大と一緒にプレーした同級生と、プロでも同じチームになるなんて-。7年前のドラフト会議。並んでチームメートに胴上げされた2人の運命が、再び重なった。

当時、アマ球界NO・1の呼び声高かった田中正は、5球団が1位で競合の末、ソフトバンクに入団。池田は楽天の2位指名でプロ入りした。当時から「めちゃめちゃ仲悪い(笑い)。それは冗談、ウソっすけど」と、軽口をたたくほどの仲の良さ。一方で「お手本みたいな存在。今も実際、それは続いている」と、尊敬してやまない。人的補償をめぐり「『お前しか、おらんやん』っていう話は、ずっとしていたんですけど…。(田中正は)『俺、日ハム行くの?』みたいな反応でした」と、会話の一部を明かした。

「(田中正は)誰もが認める大学時代だった」と、うなずく。「追い付け、追い越せ。追い越せなくても、追い越す気持ちがないと。栄養面や練習、1つ1つの意識が高くて、大ざっぱなところがないクソ真面目なところが、周りから見るとすごい憧れだった」。自らを高みに引っ張り上げてくれる好敵手だった。

プロでは通算5勝を挙げている池田が、1歩リードか。「負けたくない。いいライバルであり、信頼している仲でもあるので、また追い付け、追い越せで頑張りたい」。ともに主力の座を狙い、切磋琢磨(せっさたくま)の青春がよみがえる。【中島宙恵】

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