阪神岡田彰布監督(65)が、試合終盤に起用するスペシャリスト枠として、島田海吏外野手(26)、熊谷敬宥内野手(27)、植田海内野手(26)を開幕1軍入りさせる考えを明かした。

レギュラーは固定する方針だが、勝負を左右する重要な局面では、飛び道具としてベンチに配備する快足トリオを投入する。

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岡田監督は試合終盤に切る3枚の「カード」を早くも明かした。「1軍の戦力として一番、今確定して必要なんは、島田、熊谷、植田やろ。そのへんの3人が1軍確定かもわからん」。代走や守備のスペシャリスト枠として名前を挙げ、開幕1軍入りを当確させた。「代走から守備につけるとか、守備固めいけるとかな。そういうスペシャルの方がオレは戦力として見極めやすい」。3人とも春季キャンプは沖縄・宜野座の1軍スタート。指揮官の評価は高かった。

就任以来、岡田監督はチームの骨格を次々と固めた。大山を4番一塁で起用する考えを披露し、佐藤輝は三塁固定。遊撃中野は二塁にコンバートさせ、二遊間強化に着手した。キャンプ目前に打ち明けたスペシャリスト構想。常々、「ベンチの采配でいかに点を取るか」と話しており、1点をもぎとる岡田野球を実現させる存在として、「1軍内定」の判を押した。

昨季自己最多123試合に出場し、チーム3位の21盗塁をマークした島田について、指揮官は「(足が)魅力。得点するには少しでも速いやつの方がいいに決まってるやんか」と、右翼候補ではなく勝負を左右する代走として考えている。外野守備も「評価している。肩とかいろんな面でな。基本的には左翼の守備固めやけど」と話し、左翼候補の新外国人シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス3A)に代わって終盤の守りを引き締めることを期待する。

熊谷は昨季出場63試合中38試合で代走に起用された専門家だ。守っても二塁19試合、三塁31試合、外野9試合と起用の幅が広い。同じく代走の切り札植田も内外野を守れる。秋季キャンプでは右手人さし指骨折でアピールできなかったが、能力の高さは分かっている。

昨季まで4年連続でリーグトップの盗塁数を決めてきた機動力に、サインを出す岡田監督の勝負勘が加わる。経験豊富な快足トリオがかき回せば、チームの得点力も向上する。18年ぶりの「アレ(=優勝)」へ着々とチーム構想を固めている。【石橋隆雄】

◆第1次岡田政権のスペシャリスト 05年優勝時の関本は藤本と併用され二塁を67試合守った。ほかにも一塁16試合、三塁10試合守備に就いた。その後はレギュラーに定着した。内野手では秀太、外野手では赤松が代走や守備固めとして活躍した。浜中とのトレードで08年から加入した平野はチームの状況に応じて二塁を95試合、外野を44試合守った。