日本のトラウトへ-。沖縄県内での自主トレを打ち上げた西武山川穂高内野手(31)が28日、所沢の球団施設で打撃練習などで汗を流した。

弟子入りした西川愛也外野手(23)とともに、いろいろな打者の打撃映像を見つめる。とりわけ長く眺めていたのが、エンゼルスのマイク・トラウト外野手(31)の映像だった。

同い年の右打者を“最強”とたたえる。「ずっと何年も、バックスクリーンにホームラン打てるのがすごい。これに尽きます」

出場が決まった3月のWBCでも、交わる機会があるかもしれない。「どういう練習しますか? って聞きたいです」。技術よりも、練習方法に興味津々のようだ。「感覚ってやっぱり、人から聞くもんじゃなくて、自分で研ぎ澄ませていくものなので」。逆に言えば、スラッガーとして確固とした理論が構築されている。

福岡、沖縄で過ごした約3週間の自主トレ。41本塁打を放った昨季と比べ、新たなルーティンを理論的に確立させた。

昨季は尻を右足側にカチッとはめてから、バットを構えた。複数関係者のアドバイスをもとに、今回はさらに右後ろ側への尻のひねりをプラス。「よく考えたら(ヤクルト)村上もひねってるじゃないですか」。足元をがっちり固めてから、バットを握る手の高さを決める。「これでもう構えの段階で気持ち悪さが消えて、あとは打つだけ」。

尻を軸にして、基盤が定まる。もちろん、その効果も推測している。打球方向の変化だ。「センターから左中間、右中間の間に飛びやすくなります」。トラウトのようなバックスクリーン弾も、増えると見込む。打撃練習でもゴルフのショットのような初速の伸び。右足首痛が治ったからこそ可能になった技術だ。

理論も信念も揺るがない。「僕がやるのはルーティンを守って、打席でしっかりやるだけ。今年の目標はそれだけです。ホームラン打っても三振しても、また次の打席でルーティンを守る」。だからこそ、漂う自信と予感。「体が痛くない限りは、もろもろ整っているので、高い成績が出る確率のほうが高くなる…でしょう」。選びながらも、頼もしい言葉だった。【金子真仁】

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