現役ドラフトでソフトバンクから移籍した阪神大竹耕太郎投手(27)が、開幕ローテに大前進だ。

沖縄・宜野座キャンプ第3クール最終日の12日、1、2軍合同紅白戦の2番手でタテジマデビュー。ノイジー、大山、佐藤輝ら主力級が並ぶ打線相手に3回を投げ、打者10人を無安打に抑える準完全投球で岡田彰布監督(65)を喜ばせた。育成出身、現役ドラフト入団の苦労人が、先発バトルをさらに熱くする。

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大竹はクールな表情を崩さず、淡々とアウトを積み重ねた。1、2軍合同の紅白戦に、4回から2番手で登板してタテジマデビュー。あいさつ代わりに自己最速を2キロ更新する148キロをマーク。さらにカットボール、ツーシーム、チェンジアップ、カーブなど“七色の変化球”を操り、緩急自在に打者をほんろうした。許した走者は味方失策の1人だけ。3イニングで10人に投げ、準完全の無安打無失点の快投を決めた。

「僕みたいな立場は打たれたら終わりなんで。結果にはこだわっていました」

ソフトバンク育成入団からはい上がり、昨年現役ドラフトで加入した苦労人の実戦派左腕が、主力級を次々に粉砕した4回はノイジー、大山の右打者の内角を直球、カットボールで丁寧に突き、最後はともに低めのボールで飛球を打たせた。5回は熊谷と梅野から難なく2奪三振。6回は左の近本、中野に内外角を使い分けて凡打に斬った。最後は代打のルーキー森下を外角低めのチェンジアップで投ゴロ。プロの洗礼を浴びせた。それでも「やりたい投球の半分ぐらい。いかに早く追い込むか、(カウント)3-2が多かったのが反省です」と満足はしていない。

9日のシート打撃で「実戦向き」と評価していた岡田監督も満足の笑みを浮かべた。「今日もよかったね。ブルペンからね、ずっといい感じ」と絶賛。評価ポイントについては「見ての通り、はっきり言うて。右左苦にしない。右の外にはちょっと抜くボールを投げられるし、左にはちょっとインコースにシュート回転で見せ球も投げられる。意識的にボール球を投げられるコントロールがある。(ゲッツーなど)アウトの取り方を知ってるよな」と熟練投法に目を細めた。

開幕ローテ6人は青柳、伊藤将、西勇の当確組を筆頭に、西純、才木が有力。快投で大竹が「第6の男」に浮上した。左腕は現状、伊藤将1人しかおらず、指揮官も「岩貞含めて、もう1枚くらい左が入ってくれたら助かるわな」と期待は大きい。大竹も「今まで感情を押し殺して野球してたんで。今年はそういうものも見せて、チームの士気を上げる投球をしていきたい」と気合十分だ。一気に開幕ローテをつかむ勢い。新天地でブレークの予感たっぷりだ。【古財稜明】

▽ヤクルト石堂スコアラー 思った以上に球が来ていた。コントロールも安定しているし、フォームの緩急もある。球種自体も奥行きが使えてバランスがいい。ああいう投手が1人入ると嫌ですね。

▽広島岩本スコアラー ある程度、1軍でも投げているピッチャー。ゴロを打たせながら、しっかり打ち取っていくことができていた。順調だなと思います。

▽巨人樽見スコアラー 今日は大竹が一番よかった。(ソフトバンク)和田に似たような出どころが見にくくてピュッと来るような。今日は140キロ台中盤まで出ているし、あれくらい(球威が)戻ってきたら面白い。

◆大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)1995年(平7)6月29日生まれ、熊本県出身。済々黌-早大を経て、17年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。18年に支配下へ昇格し、11試合で3勝。19年には開幕ローテーション入りを果たし、5勝を挙げた。昨オフの現役ドラフトで阪神移籍。通算35試合、10勝9敗1ホールド、防御率4.07。184センチ、87キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸2000万円

○…紅組先発の西純は3回を2安打1失点にまとめた。初回は先頭近本のヒットから大山にタイムリーを浴びて失点。それでも2回以降は修正し、3者凡退を続けた。ポテンシャルの高さを評価している岡田監督は「才木にしても西にしても相当ええボール放ってるよ。この時期にしたら。もうちょっとこれから実戦積んでいったら、キレとかスピードとか出てくると思うしな」と期待していた。

○…開幕ローテを狙う才木が自己最速の157キロを計測した。白組で先発。1回2死で迎えた渡辺諒の初球に球場の電光掲示板に「157」の数字が出た。先頭の島田への初球にも155キロ、2回には板山の初球に156キロを計測。2回には原口に左越え本塁打を許したが、3回2安打1失点と内容も上々だった。才木は球速について「どうなのかなという感じ」と半信半疑も、「ストレートの感覚はいい」と手応えを感じている様子だった。

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