阪神梅野隆太郎捕手(31)が、志願の前倒し復帰で全開をアピールだ。

右肘の違和感から再起し、5回の守備から途中出場。K・ケラーの3者連続三振を導くなど、2イニングを1失点にまとめた。打っても6回のオープン戦初打席で、漆原の140キロ真っすぐを左前へ。自身今年初の甲子園でファンに攻守万全を示し、充実の表情を浮かべた。

梅野 回復が予定より早く、1日も早く、の気持ちでした。時間をもらっていた分、しっかり治療と調整をしてきたので。監督がコメントしている9日より早く出られてよかったです。

当初の予定より4日も早い復帰だった。岡田監督は「無理ささんでエエ」と9日オリックス戦を目安にしていた。だが、2月25日のヤクルト戦(浦添)の試合前練習で負傷した患部は、想定以上にスピード回復。この日の試合前に自ら出場OKを申し出、復帰が決まった。指揮官も一安心だ。

岡田監督 本人がもういける言うてな。だから試験的に2イニング守れって言うたんよ。今日の朝よ。本人がいけます、言うから。だいぶエエんちゃう? 昨日から(打撃)回り、シートノックも入ってるしな。

見立ては軽症でも、患部はデリケートな場所。だがこれで、一抹の不安も一掃された。何より、扇の要の早期復帰は士気を高める。6日はいよいよ侍ジャパンとの強化試合。スタメン復帰について指揮官は「使えると思うよ。今日の様子を見てたらな」と笑顔で明かした。エンゼルス大谷、レッドソックス吉田らの出場も見込まれる日本代表戦。“梅バズーカ”をさく裂させれば、開幕へ最高の景気づけになる。【松井清員】

○…日本ハムから移籍の渡辺諒内野手がオープン戦3試合連続安打とバットでアピールを続けている。2番二塁でスタメン出場。初回はオリックス先発左腕田嶋から四球を選んだ。5回の第3打席ではドラフト1位曽谷の直球を左前へ運んだ。「しっかりうしろにつなげるというのを意識して打席に立っているので。そこだけですね」とつなぎの打撃でオープン戦の打率は5割だ。

○…石井大智投手が8回に登板し3者凡退に抑え勝利の方程式入りをアピールした。右の池田には直球2球で追い込み、オフに覚えたフォークで3球三振を奪った。「2年間、ホールドもセーブもひとつもない。今季はプラスの数字をひとつでも多くと思っている」。過去2年は18試合ずつ登板しているがまだホールド、セーブは記録していない。今季は勝ちパターンで仕事をするために「0」を重ねる。

○…加治屋蓮投手が7回に登板し3者凡退に抑えた。今季実戦は4試合5回無安打無失点と完璧な投球を続ける。「真っすぐも変化球もいい感じで投げられている」。オリックスのドラフト2位、内藤鵬内野手(18=日本航空石川)にはカットボール、スライダーで続けてファウルを奪い、最後はフォークで遊ゴロに仕留めた。「開幕1軍は決まっていないので、結果を出さないと」と好投を重ねていく。

○…岡田監督は佐藤輝の失策に複雑な表情を浮かべた。9回に大城の高いバウンドのゴロを一塁に悪送球。ワンヒット、ワンエラーで1死二、三塁のピンチを招き、2失点につながった。指揮官は「握れんかったら投げんかったらエエんよ。ヒット(内野安打)をアウトにする必要はない」としつつ、「あれを投げるな言うたら消極的やしな。責められへんやんか。難しいな」と腕組みしていた。

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