最終節まで首位を走った関大は近大との直接対決で1分け後、2連敗を喫し、優勝を逃した。
力なく上がった打球を見上げ、富山雄正内野手(3年=大阪偕星学園)は唇をかみしめた。
「先輩方がつないでくれたのに…。三振を恐れすぎてしまいました」
8回、有馬諒捕手(4年=近江)の左前打で1点差とし、なお1死一、二塁。長打が出れば逆転もあり得た場面。富山は積極的に打ちにいったが初球空振りのあと、変化球に泳がされて左飛に倒れた。優勝を導く1本が打てなかった。
今季は絶対的エースの金丸夢斗投手(3年=神港橘)がけがで離脱し、打線が援護しなければ優勝は厳しいチーム状況だった。
長打を武器に今季不動の5番打者となった富山。昨年から代打中心に頭角を現したが、レギュラー定着はできなかった。関大は昨年1年間、本塁打0。生き残るために見いだしたのは長所である打撃だった。キャンプでは振り込みを増やし、体力や筋力など身体の強さの底上げを図った。
「もともと長打というタイプではない。足も速くないですし、単打を打ったところで使ってもらえない。狙ったら長打も打てる打者の方が貴重な存在になれるのかな」と自分の役割を見つけた。
開幕から5番に固定され、立命大戦ではチーム3季ぶりの本塁打を放つなど、期待通りに長打力を発揮。2本塁打で初のタイトルを獲得。長打率6割2分2厘、打率3割7分8厘、二塁打5本、安打17本はチームトップの成績だった。
打撃が課題のチームにおいて長打力が武器の富山は不可欠な存在。秋のリベンジに向かう関大のキーマンとなる。「相手に今年のデータが役に立たないと言われるぐらい成長して、次のリーグ戦に入っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。【村松万里子】



