エンゼルス大谷翔平投手(28)が大リーグ日本選手通算1000盗塁を記録したことを受けて、8日、「第1号」のロッテ吉井理人監督(58)が当時を振り返った。

吉井監督はロッキーズに在籍していた00年6月24日、ダイヤモンドバックス戦の5回に、通算303勝でサイ・ヤング賞5度のランディ・ジョンソンから右前打を打って出塁した。相手が名投手だったことから、その日は主力打者を休ませる「捨てゲームみたいな感じだった」という。

ところが、投手の吉井監督が安打したことから“奇襲”としてエンドランのサインが出た。「そしたら打者が空振りして。捕手がびっくりして、立ち上がって投げて、だいぶそれて。ギリギリセーフだった」。俊足ではなく「どっちかっていうと遅いほう」だったが、記録上、盗塁成功に。

「ランディ・ジョンソンが怒っちゃって、その回に3点入った。で、勝ったというオチです」。守っては5回2/3を無失点で、殿堂入り左腕に投げ勝った。

盗塁よりも「ランディ・ジョンソンからワシが出塁したことを褒めてほしい」と笑うが、大谷へのエールも忘れなかった。「何でも名前が残ってくれるのはうれしい。これからもじゃんじゃん大谷に走ってもらって、記録が出るたびに『最初は吉井のおっちゃんやでー』って出るのは、うれしいです」と、ちゃめっ気たっぷりに話した。