日本ハム谷内亮太内野手(32)が26日、エスコンフィールドで引退会見を行った。11年間のプロ野球生活を振り返り「よくここまで、やって来られたと思う」。内野の全ポジションを守る“守備職人”は、27日ロッテ戦(エスコンフィールド)の引退試合を最後に現役生活を終える。

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ここまで爽やかな引退会見も、なかなかないだろう。プロ11年目。完全燃焼した日本ハム谷内は「苦しい時期や辛い時期の方が多かった。やりきったなという思い。何度も今年で終わりなんじゃないかという時もあった。自分でも、よくここまで、やって来られたと思う」と振り返り「気持ち良く次のステージに進める」と、吹っ切れた表情で話した。

「7月に2軍に落ちてから、1度も1軍に上がれなかったし、成績も現実として残っていなかった」と引退を決断した。新庄監督が人間性を高く評価している選手の1人で、グラウンド内外での態度と穏やかなキャラクターは多くの関係者の信頼を集め、頼られた。「僕は中学、高校、大学とベンチ外のメンバーに支えられていた」と、アマチュア時代に控えメンバーの役割の重要性を痛感。だから、黒子役もいとわずチームに献身した。

ヤクルト、日本ハムと渡り歩き、内野なら全ポジションを守るユーティリティーの“守備職人”。実は「好きなのは(守備より)バッティングだった。でも守備で生きていかないと、野球界で生き残れないと思ったので振り切ってやりましたけど、もっと打てたら良かったなと思います」。派手さはなくても、ガムラシャに生存の道を切り開いた姿は、多くの選手の道標になるはずだ。

この日は、引退試合となる27日ロッテ戦(エスコンフィールド)に備えて内野全ポジションでノックを受けた。新庄監督は「谷内君の背中を若い子は、ものすごく見ている。谷内君の言うことなら聞きたくなる。そんな先輩だと思う。明日は思う存分、楽しんで、最後を飾って欲しい」。後輩への最後の“授業”が、間もなく始まる。【中島宙恵】

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