阪神は25日、球団OBの上本博紀氏(37)が来季からコーチに就任すると発表した。1、2軍や担当などの肩書や背番号は未定で、日本シリーズ終了後に発表される見通し。まずは野手コーチとして、11月1日から始まる高知・安芸市での秋季キャンプに参加する。 「私はいつもそうなんですけど、不安とか緊張感とかでいっぱいです。変わらず、タイガースのためにという気持ちです」

午前に兵庫・西宮市内で行われたコーチ就任会見では、ありのままの思いを所信表明に変えた。20年に現役引退後はタイガースアカデミーのコーチに就任。22年は監督として野球少年たちを率いNPB12球団ジュニアトーナメントで初優勝に導いた。「阪神タイガースWomen」の監督を務めた今季は10月の全日本女子硬式野球選手権大会で初優勝。女子選手を率いて日本一に輝いた。

カテゴリーは違うが、指導経験は生きるはずだ。「選手全員、年齢は下ですけど敬意を持って接したい」と力を込める。早大の先輩でもある岡田監督からは電話で「一緒にユニホーム着て頑張ろう」と激励の言葉をもらったといい「ちょっと背筋が伸びたところがある」。決意新たに、虎の黄金時代形成に尽力する。【中野椋】

◆上本博紀(うえもと・ひろき)1986年(昭61)7月4日生まれ、広島県出身。広陵では甲子園に春夏通じて4度出場し、2年春には優勝を経験。早大に進み通算109安打を放ち、4年時には主将に就任。08年ドラフト3位で阪神に入団。14年に選手会長に就任し16年まで務めた。規定打席に3度到達したほか、長打力も併せ持つ内野手として存在感を示した。プロ通算698試合に出場し522安打、30本塁打、161打点、94盗塁、79犠打、打率2割6分5厘。現役時代は173センチ、66キロ。右投げ右打ち。

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