日刊スポーツの名物編集委員、寺尾博和が幅広く語るコラム「寺尾で候」を随時お届けします。
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阪神キャンプに、アレンパをもくろむ、もう1人の“監督”がいた。第3クール視察に来沖し、宜野座を訪れたのは、侍ジャパン女子代表監督を務める中島梨紗だった。
昨年9月、広島県三次市で開催された第9回WBSC(世界野球ソフトボール連盟)女子W杯・Bグループを突破。今年8月カナダでのファイナルに進出し、7連覇をかけて戦う。
中島が視察先に選んだのが、日本のトップチームになった阪神だった。女子代表ヘッドコーチ・木戸克彦(阪神)から説明を受けながらの充実した2日間になったようだ。
「やっぱり投げるほうも1球ごとに、打つほうでもワンスイング、どちらも1球1球を丁寧に練習していましたよね。練習からチーム全体的な動きに無駄がないと感じました」
Bグループの5戦はほとんどが接戦だった。中島が「1球の重み」を強調したのは、練習から勝負のつもりで臨む意識が必要不可欠と感じ取ったからだろう。
「阪神のシートノックを見ても、外野からちゃんとカットに入った内野に送球していました。内野手のバックホームにしてもほとんどがストライクだったし、守備を大事にしてるんだなというのが伝わってきました」
サインプレーなどをうかがうことはできなかったが、中島は「わたしたちも1点を守り切るという野球をしていきたい」と7連覇へのヒントをかぎとったようだ。
今回のW杯はコロナ禍もあって18年の第8回大会以来、6年ぶりの開催で注目を集める。これからチーム編成にとりかかるが「世界のレベルは上がっています」と連覇は容易ではない。
中島にもプレッシャーがかかる。組織のトップがぶれると、チームは崩壊する。だから“監督”としてチーム方針を明確にすることを決めている。
「勝つということは難しいです。自分たちがする野球をあいまいにしないことって大事と思うんです。すべては“チームファースト”です。勝つためには、決断することも、行動も…。チーム全員がその方針のもと動くことだと思っています」
続けて「だから必要であれば、4番バッターにもバントしてもらうつもりです」と勝つための采配をする覚悟だ。守りの野球に厳しさ注入。監督は「岡田流」という“土産”を手に南国を後にした。
(敬称略)



