バルディリスになれ、オヘイダになるな! 阪神は2月29日、ドミニカ共和国出身の2投手と育成契約を結んだことを発表した。

190センチ右腕で先発型のアンソニー・マルティネス(24)と体重100キロ超えの救援右腕、ホセ・ベタンセス(24)。今季中の大抜てきもあれば、早期の見切りもあり得るという異例の“短期勝負”で戦力になるかどうかを見極める。岡田彰布監督(66)は過去の育成外国人の成功例と失敗例を挙げ、日本になじめるかが大化けのカギとした。

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先発型のマルティネスと、救援型のベタンセス。ともに現在24歳の2人はメジャー挑戦で夢破れ、一発逆転を夢見て阪神にやってくる。マイナーリーグである程度のキャリアを積んだ。だが、トップに行くには足りない何かがある。ともに150キロ前後の速球を投げるが、制球面に難があった。だが阪神は日本式の指導で欠点を修正できる可能性があると判断。1月にドミニカ共和国で行った入団テストを経て、性格面も重視して70人超から厳選した。

嶌村聡球団本部長(56)が獲得の背景を説明した。「何とかものになってくれれば。メジャーに上がれなかったのはそれなりの欠点もあるから。日本で克服してもらいたい。彼らもハングリー精神で来るはず」。フォームの見直しなど、大化けするための方策を授ける方針。球団にとっても貴重なテストケースになる。

岡田監督の期待も大きい。成功例に挙げたのは、前回監督時の08年に育成で獲得したアーロム・バルディリス内野手の例だ。1年目で支配下をつかむと、岡田監督とともにオリックスに入団した1年目に三塁手として開花した。一方で、同時入団した右腕のアルビス・オヘイダ投手は半年で契約解除された。

「まあ、どうなるか分からんけどな。1人は日本になじめんかって、帰ったわ。バルちゃんは日本になじんだよ。成功した方やわな。まあ、来てからやで」

日本になじめるかが成否を分けるとの指摘だ。2人は3月下旬に来日予定。虎風荘に入寮し、若手日本人と寝食をともにする。日本式の野球生活の中でどこまで変身できるか。嶌村本部長は「育成だけど、そんな長い期間の育成じゃない。ショートプログラムになる。1年目か、2年目になるのかという話も出てくるだろうし」と、早い時期で戦力になるかを判断する可能性を示唆。1年目からV2の使者になるのか、早々に見切りをつけるのか。上下の大きい補強となった。

先発型のマルティネスは「素晴らしい機会を与えてくれたすべての方々に感謝します」と意気込み、中継ぎ期待のベタンセスは「目標はケガなく、いいパフォーマンスをして勝利に貢献すること」と引き締めた。第2のバルディリスになるか、第2のオヘイダになるか。注目のチャレンジが始まる。【柏原誠】

◆アンソニー・マルティネス 2000年1月10日生まれ、ドミニカ共和国出身。セナペック高を経て21年からカブス傘下。同年はルーキーリーグで16試合(先発1)5勝1敗、防御率4・21。22年は同クラスで15試合(先発なし)1勝3敗、防御率8・35。190センチ、79キロ。右投げ右打ち。背番号132。

◆ホセ・ベタンセス 1999年10月17日生まれ、ドミニカ共和国出身。セナペック高を経て17年からアストロズ傘下。21年から1A、23年からは主に2Aでプレー。昨年は2Aで8試合(先発なし)、0勝0敗、防御率9・00。183センチ、102キロ。右投げ右打ち。背番号131。

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