また1点差勝ち! 阪神がセ・リーグ最速の1万試合目を薄氷の勝利で飾り、貯金を今季最多7に増やした。2点リードの8回裏に左翼ノイジーが痛恨の適時失策。打線も再三の拙攻に苦しんだが、最後は1点リードの9回裏1死一、三塁を併殺打でしのいだ。岡田彰布監督(66)も「やられるパターンやけどな」と節目の勝利にひと安心だ。今季は1点差ゲームで13勝3敗、12球団最高の勝率8割1分3厘。2戦連続1点差勝ちで4カード連続勝ち越しを決め、2位広島に2・5ゲーム差をつけた。

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3時間39分の熱戦は、一瞬のプレーで幕を閉じた。1点リードの9回1死一、三塁。ゲラが代打松山を二塁ゴロ併殺に仕留めた。「4-6-3」と渡り、ゲームセットだ。岡田監督が「やられるパターンやけどな。普通やったら、あんだけチャンスつぶしたんやからな」と振り返った辛勝。残塁11でも勝った。阪神のセ・リーグ通算1万試合目を勝利で飾った。

守備隊形に「岡田の野球」が詰まっていた。「松山やったからな、ゲッツー態勢」。前進守備は敷かなかった。「同点まではOKと思っていたからな」。常にリスクを最小限に考える指揮官らしい選択だ。「追加点を取ればもっと楽にできる」と本音も漏れたが、巧みな決断でダブルプレーフィニッシュを呼び込んだ。

3回は無死満塁で無得点。再三の好機を逃し、7回に動いた。西勇に代打前川を送ると、広島は左腕塹江を投入。すかさず「代打の代打」ミエセスで応戦した。助っ人は四球を選び「大きかったよな」。広島守備陣の失策も絡み、森下の犠飛で2点目をもぎ取った。「1点でも取りにいかんと。1-0で逃げ切るなんか無理よ」。言葉通り、8回は1点差に。まるでそれが分かっていたかのように、駒を動かした。

8回は2番手石井に今季初のイニングまたぎを任せた。勝ちパターンの桐敷を回の先頭から投入するのではなく「石井には『右やったら1人いく』って言うてあった」。読み通り、先頭の代打二俣は右打者。前夜は粘って左腕岩崎から四球を選んでいた伏兵だ。「桐敷と二俣の方が嫌。昨日の岩崎の件があるからな」。石井は見逃し三振に仕留め、桐敷につないだ。「こっちの予定通り」という用兵にナインが応え、1点差ゲームは12球団最高の勝率8割1分3厘だ。

セ・リーグ球団最速で同リーグ通算1万試合に到達。岡田監督は「あ~そう、そんなん知らんわ。いつも後から聞くだけやで」とニヤリと笑った。虎戦士として1554試合、虎指揮官としては906試合目。タテジマで戦ってきた男のタクトに導かれ、4カード連続勝ち越し、2位広島に2・5ゲーム差をつけた。24日の巨人戦(甲子園)に勝利すれば、無条件で交流戦までの首位が確定する。1万1試合目も、勝利だけを見る。【中野椋】

なぜ阪神がセ・リーグ最速で1万試合に到達するのか? 巨人より速い理由を深掘り/謎に潜入