19年ぶりに出場の瀬谷が、初出場の掛川との関東連盟南関東支部同士の対戦となった準々決勝で1-2の最終7回に2点を入れて逆転勝ち、準決勝に進んだ。

春夏全国制覇を目指す中本牧は打線が爆発し、16安打で15点を挙げて、松本南を4回コールドで下し、ベスト4に進んで瀬谷と対戦する。

大会連覇を目指す世田谷西は、五條を9-0のコールドで下し、準決勝に進出した。

▽準々決勝

瀬谷3-2掛川

中本牧15-2松本南

札幌琴似6-3樫原磯城

五條0-9世田谷西

【瀬谷が「うちの野球」粘って最終回逆転】

負けていても絶対にあきらめない、瀬谷の野球の真骨頂が7回に出た。1-2の最終回。相手失策で無死二塁。7番盛山は送りバントを2回失敗、監督から指示を受けたが、相手の暴投で無死三塁とチャンスが広がった。「監督に呼ばれたときは打ちたいですといいました。三塁になってフライでもいいと思ったので全力で振っていった」という打球は左翼線への適時二塁打。同点に追いついた。

続く8番古川の二塁強襲安打で、二塁から本塁を狙った盛山がタッチアウト。古川が二塁に進み、次打者の内野ゴロで三進したが2死。1番市丸は「前の打席で同じようなチャンスで打てなかったので、今度は絶対にかえそうと思った」という気迫が、逆転の左前適時打を生んだ。「よっしゃーって言ってました」と笑う。

初出場の掛川との南関東支部対決を制してベスト4にたどり着いた。星雄一郎監督は「これがうちの野球。今日も走塁とかバントとか、ミスは出るんですけど、最後の最後まで粘り強く、劣勢でもあきらめない」と、選手たちをたたえた。

いよいよ、王者中本牧との対戦にこぎつけた。「強いのはわかっていますが、自分たちの野球をして、負けていても逆転を狙う」(盛山)。「自分は守備も自信があるので、守りから流れをもってきたい」(市丸)。今年のチームTシャツにあるキャッチフレーズ「チャレンジャー」として準決勝、中本牧戦に臨む。

▼掛川・森下宗監督(惜敗も初出場で8強入りに)得点を取れるときに取れなかったのが敗因でしょうか。初めての出場で初めてのベスト8、ここまで来るのは大変でしたが、選手たちは粘り強く、厳しい練習についてきてくれて、ありがとうと言いたい。シニアで得た技術、知識、我慢強さを次のステージでも生かして、長く野球をやってもらいたいです。

▼掛川・内山陽翔主将 (3年=惜敗に涙にくれて)6回のチャンス(2死満塁)で結果を出せず、みんなに申し訳ないです。中本牧という絶対王者を倒すのを目標にしていたので、その前に負けてしまって悔しい。みんなにはこれまで厳しいことも言ってきましたけど、感謝を伝えたいです。

【小田倉が口火で中本牧打線が15得点】

中本牧の打線が爆発した。1回、火をつけたのが2番小田倉。四球で出た河内を一塁において打席に入り「昨日までよくなかった(2試合1安打)ので、トップの位置を少し下げたらボールが見えるようになったので、自分の得意な球に絞りました。たぶんストレートがインコースに来た」と右中間に三塁打を放って先制。この回2点を挙げて流れを作った。2回に2四球を挟んで5安打で6点を取って態勢を決め、小田倉も適時打を放って2打点目を挙げた。

先発した小林は2回1失点でマウンドを降りたが、バットで活躍。3回に1死満塁で「初球に甘い球がくると思った」とフルスイング。中堅手の頭を越える走者一掃の三塁打を放った。4回にもダメ押しの2点適時打を放つなど、この日は3安打6打点と爆発。「父に勧められて、(元巨人)高橋由伸さんのスイング映像を参考にして、自分なりに鏡を見ながら練習していたら、急に打撃がよくなった」と笑顔を見せた。

春夏全国制覇に向けてチームはベスト4にコマを進めた。ここまで全イニング出場の小田倉は「チームのためになるように後ろにつなぐ打撃をしたい」と話した。この日球数を23球に抑えた小林は登板チャンスもまだ十分あり、2枚看板の鈴木とともに「2人で決勝まで」と、投でも貢献を目指す。

【世田谷西「TC」から抜てきの佐宗が一発】

世田谷西9-0の快勝に、花を添えたのが佐宗(さそう)の本塁打だった。ビッグイニングとなった3回。3点を奪ってなお1死一塁で、6番佐宗が「インコースのストレートでした。つまって差し込まれた感じだった」と振り返った一打は、左翼スタンドに届いた。「本塁打とはわかっていなくて、二塁ベースあたりで歓声がしたんですけど、まだわからなくて、二塁を回ってようやくわかりました」という。

大人数を抱える世田谷西は、試合への出場機会などから、複数チームを登録している。日本選手権に出ているのは、世田谷西の選手たちの呼び方でいうと「本陣」。佐宗は、春までもう1つのチーム、世田谷西TC(多摩川クラブ)で主将を任されていた。「主将になって、野球への取り組みが変わりました。しっかり野球をやろうという思いが強くなった」という。そのかいあって、今年春の全国選抜大会に本陣とともに出場した。

吉田昌弘監督はそんな佐宗を見て、夏季関東大会から引き上げた。佐宗は「うれしかった。本陣のみんなと一緒に勝っていきたいと思った」という。その願いがかない、いよいよ大会連覇に向けて準決勝となる。「本塁打は狙わず、次につなげる打撃をします」と、静かな闘志を見せていた。