ベテランの1発が試合を決めた。西武の栗山巧外野手(40)が今季1号となる代打逆転2ランで勝利に導いた。今季初のお立ち台では、舌も滑らか。「今日の僕のホームラン喜んでもらえたでしょうか? うれしすぎる人は今日寝なくて大丈夫です」とジョークを飛ばして喜びをかみしめた。

1点を追う8回2死三塁。日本ハム左腕の河野の初球を振り抜いた。「ちょっとこすったかな」と感じる打球だったが、高々と舞い上がって右翼席へ。05年から20年連続本塁打も達成。ダイヤモンドを1周しながら、周囲から湧き起こる大歓声を聞き、ようやく実感が追いついた。「うれしくて興奮してた。覚えてないんですけど、大きな声援がしてるなというのはわかりました」と焼き付けた。

1点が欲しい場面で頼りになる。首脳陣の信頼が厚い男でも、代打起用は慣れないことばかり。集中力を高める方法は「誰か教えてください。何か自分にとってもきっかけ探している」と模索する。だからこそ、ベンチで戦況を追いながらの準備が欠かせない。「相手投手が今日どういう攻めをしているか、今日どんな状態で投げているか、キャッチャーはどうか」。観察眼が今季118試合目での最高の結果に結びついた。

チームは前夜、日本ハムに敗れてCS進出の可能性が完全消滅した。「毎日詰めかけてくれるファンのみなさんに優勝争いとか、いいところで9月を迎えられない悔しさ、申し訳なさはあります」と責任を痛感している。「一番は勝つこと。上位を狙っているチームに勝つことが今のチームには必要」と、残り25試合に照準を合わせた。【平山連】

▼40歳11カ月の栗山が代打逆転2ラン。西武で40代選手の代打本塁打は、野村が44歳9カ月の80年4月26日近鉄戦、44歳11カ月の80年6月15日阪急戦で記録して以来44年ぶり2人目で3本目。野村も近鉄戦はスコア5-6から打った逆転3ランでVアーチだった。これで栗山は05年から20年連続本塁打。すでに同僚の中村は04年から21年連続で本塁打を打っており、プロ野球史上初めて同一球団の20年連続本塁打コンビが誕生した。

○…渡辺GM兼監督代行が、栗山の勝負強さに脱帽した。8回に代打逆転2ランを放った栗山について「役者が違うという感じじゃないですか」と賛辞を惜しまなかった。前夜に日本ハムに敗れ、CS出場の可能性が完全消滅。頼れるベテランの1発で8月最後の試合で劇的勝利を飾り「今日みたいな試合が毎試合できれば。残りの試合で1つでも上を目指してやっていきたい」と誓った。

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