「アレ記念日」に劇的勝利や! 阪神が大逆転で今季7度目のサヨナラ勝ちを飾った。
7回に3点ビハインドを追いつき、9回2死二、三塁で2番中野拓夢内野手(28)が中前に決勝打を放った。リーグトップとなる今季25度目の逆転勝ち。直接対決2連勝で3位広島に2ゲーム差をつけ、貯金も今季最多の9に伸ばした。昨季18年ぶりのリーグ優勝を飾った9月14日、選手会長の一打で逆転Vへ望みをつないだ。
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痛烈なライナーが中前に弾むと、あの日と同じ大歓声が響いた。中野は両手を突き上げ、一塁を駆け抜けた。あっという間にナインの波が押し寄せる。歓喜のウオーターシャワーを全身に浴び、白い歯が光った。
「この球場で、最高の結果で終わることができたので本当にうれしい」
3-3の9回2死二、三塁。サヨナラの好機。甲子園のボルテージは最高潮に達していた。「絶対に自分が決める」。広島黒原の3球目。144キロ高めカットボールを振り抜いた。お手本のようなセンター返し。チーム今季7度目のサヨナラ勝利を決めた。
雪辱を果たした。7回は同点に追いついて迎えた2死満塁で空振り三振。「本当はあの場面で打ちたかった」。それでも「悔しい思いをした分、必ずチャンスは回ってくる」とプレッシャーをかけて臨んだ最終打席は劇的打。「水をかけられるのが嫌だったので必死に逃げたんですけど…。ビショビショになりましたけど、うれしいです」。お立ち台ではちゃめっ気たっぷりにほほ笑んだ。
1年前の9月14日、18年ぶりのリーグ優勝を決めた。中野にとって甲子園での一番の思い出はもちろん、9回3アウト目の二飛を捕球した瞬間だ。「誰もが優勝を見に来ている中、しっかりと甲子園で優勝を決められた。ものすごい歓声いただけたので、すごく記憶に残ってます」。1年後の「アレ記念日」。あの日の記憶がよみがえりそうな歓喜を、逆転Vへの力に変えるつもりだ。
選手会長に就任して迎えた今季。激しい優勝争いのさなか、8月は月間打率1割5分4厘と苦しんだ。「チャンスで打てない打席が続いて、ふがいない。チームを引っ張る身としてすごく苦しいことでした」。それでもチームの勢いとともに9月は月間打率3割4分1厘。「大事な日にチームが勢いに乗れる勝ち方ができた」と喜んだ。
3点ビハインドからリーグ最多25度目の逆転勝利。岡田監督も「いやいや、そら大きいですね」と納得の1勝だ。いよいよ首位巨人に2ゲーム差。中野は「選手は上しか見ていない。目の前の試合をどうしたら勝てるのか考えながらやっている。それが1つになって、いい方向には向いてる」と力強い。選手会長の気迫が逆転Vへの望みをつないだ。【村松万里子】



