また「魔の6回」…。阪神が6回一挙5失点で3点リードを守り切れず、藤川阪神の甲子園初勝利を逃した。3-0の6回、育成ドラフト1位から支配下登録を勝ち取った2番手・工藤泰成投手(23=四国IL徳島)が2暴投で2点を献上。さらに同点から堅守の一塁手・大山悠輔内野手(30)がまさかの本塁悪送球で2点を勝ち越された。チームは今季ホーム5戦で4度目の6回失点。開幕からホーム5戦白星なしは球団史上初の屈辱となり、2連敗で勝率5割に戻った。

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阪神がまたも負のジンクスに捕まった。「魔の6回」だ。つかみかけたホーム初勝利が遠のいた瞬間、大観衆4万2580人が埋め尽くした聖地全体から大きな悲鳴が上がった。

3点リードを追いつかれた直後の1死二、三塁。3番手及川が赤羽を一ゴロに打ち取った。強烈な打球を好捕した大山は難しい体勢から本塁送球。これが三塁側にそれ、走者2人がホームに生還した。「僕のミスなので。申し訳ないです。ただ、それだけです」。欠場する佐藤輝の代わって今季初の4番を託された主砲は試合後、全責任を背負うように肩を落とした。

5回まで無失点の先発ビーズリーが突如乱調。3-0の無死二、三塁で送られたのは3試合連続無失点中の工藤だ。だが、6日巨人戦では初ホールドもマークしたルーキー右腕が落とし穴にはまった。

カウント2-2からサンタナへの5球目フォークが暴投になり1失点。オスナは遊飛に打ち取ったが、山田に2つ目の暴投で2点目を失った。さらに四球を与えた時点で降板。「工藤に関しては成功体験も必要になるし、作っていくという意味では行かなければいけないところだから」。藤川監督は育成ドラフト1位から支配下に引き上げた新人右腕をかばった。

とはいえ、1度明け渡した流れは簡単には引き戻せなかった。3番手の及川が同点打を浴び、さらに大山の適時失策で勝ち越しの2点を許した。痛恨の逆転負けで2連敗だ。

これで1日からのホーム開幕DeNA3連戦(京セラドーム大阪)を含め、ホーム5戦は引き分けを挟んで4連敗。DeNA3連戦とこの日を含め、5戦で4度も6回に失点している。

1日DeNA戦は1失点とゲームメークしていた才木が1死から四球を挟んで4連打を浴びた。2日はビーズリー、3日はデュプランティエが捕まった。「あの6回が確かにヤマ場でしたけどね」。開幕からホーム5戦白星なし。球団史上初の屈辱に、藤川監督は唇をかんだ。

今日10日以降も甲子園ゲームが4試合が続く。指揮官は「また明日、しっかりといいゲームを何とかしたい」と力を込めた。負のデータを吹き飛ばす出直しを、静かに誓った。【伊東大介】