日本ハム新庄剛志監督(53)が満を持して「独走宣言」をした。楽天戦(エスコンフィールド)で今季2度目の4連勝(1分け挟む)を飾り、両リーグ最速で20勝に到達。4月2日以来39日ぶりの単独首位に浮上した。これまでは順位に無関心だった指揮官だが、投打に好調なチーム状況で交流戦までに「独走したいね」とニヤリ。就任4年目、本気で日本一を狙う勝負のシーズンはチームに早めのムチを入れた。

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新庄監督は今が好機と見た。投打がかみあった完勝で単独首位に浮上。勢いよく言った。「ここから、ちょっと差を広げていけそうな雰囲気が出てきている。交流戦までに、なんとか差を広げて独走したいね」。開幕から安定する投手陣。打線も全体的に上り調子。開幕前は「5勝4敗ペースで行って一気に行くところは行く」と話していたが、その時がやって来た。

4連勝で貯金も今季最多の6に伸ばし、チーム35試合目にして20勝に到達。昨季と同ペースだが、ソフトバンクに3・5差をつけられていた1年前とは状況が違う。これまでは順位については「その質問、センスがない(笑い)」と関知しなかったが、単独首位に返り咲いたこの日は「だから(差を)広げていきたい」。最初の勝負どころと見てチームにムチを入れた。

あえてアクセルを踏んで戦う中でも、この日はレイエスに初めて一塁守備に就かせたのは交流戦対策の一環だ。「僕、1カ月前から準備したいタイプだから」と布石も忘れていない。試合前には、現役時代にバントの名手だった田中SAから、野手全員に「特別バント講座」を実施してもらった。「(田中)賢介くんには、バントの技術的なところプラス精神的な心構えを」と今後の勝負どころも踏まえて対策も始めた。

希代のエンターテイナー監督は「僕は瀬古さんタイプ。イカンガーにずっと余裕を持ちながら付いていって残り150メートルでひゅっと抜くのは格好いい。プロ野球的にも盛り上がる」と83年福岡国際マラソンでの名勝負を引き合いに理想のペナントレースを語った。でも、選手たちに日本一の景色を見せるには、ここで「独走したいね」。勝負の就任4年目。過去3年の経験値から交流戦でどうなるかは「わからないじゃないですか」と難しさを知っている。だから今のうちに貯金を増やして、団子状態のパ・リーグで頭ひとつ抜け出す。【木下大輔】

◆日本ハム新庄監督4年目の布石 昨季は打撃不振だった野村を昨年11月末のファンフェスの時点で今季の開幕4番に指名。日本一になるために欠かせないミレニアム世代の主砲の覚醒を促し、今季はコンスタントに結果を残す野村を打線の軸として固定した。また、今季は先発ローテや継投など投手起用は主に加藤投手コーチらに任せ、自らは攻撃や守備など野手陣の采配に専念。役割分担をし、きめ細やかなチームマネジメントに徹している。

◆瀬古VSイカンガー 83年12月4日、ロサンゼルス五輪選考会の福岡国際マラソンで、序盤はイカンガーが引っ張り、39キロ付近で抜け出す。その後は、後ろに付いていた瀬古とのマッチレースに。勝負はトラックに持ち込まれ残り100メートルで瀬古がスパート。イカンガーを振り切り2時間8分52秒で優勝した。その差は3秒。この他に2度同走したレースはいずれも五輪。84年ロサンゼルス大会は瀬古の14位に対し、イカンガーは6位、88年ソウル大会は9位と7位。いずれもイカンガーが先着した。瀬古は福岡国際で4度優勝し、そのうち3度をトラック勝負で制している。

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