東北福祉大(仙台6大学)の佐藤悠太外野手(3年=報徳学園)が、支えてくれた父の前で日本一に導く活躍を見せた。福井工大(北陸)との決勝で3安打1打点1盗塁。7年ぶり4度目の優勝に貢献した。最高殊勲選手賞に輝き、「父の日」に球場に駆け付けた父文昭さんに最高のプレゼントを届けた。

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神宮の赤土にまみれたユニホームが誇らしげに輝いた。最高殊勲選手賞に選ばれた佐藤は少し恐縮しながらも、うれしさは隠しようがない。「(エースの)桜井さんかと思っていました。自分でいいんでしょうか」と照れくさそうに笑い、「大きな舞台ですごく楽しく野球ができました。それがいい結果につながりました」と優勝の余韻に浸った。

4安打を放った準決勝の青学大戦に続き、持ち味の積極打法が生きた。初回1死二塁から初球を右前に運んでチャンスを演出した。得点にはつながらなかったが「初球から積極的にいってヒットが出たので、今日もいける」と好感触を得ると、3回には中前打と止まらない。4点リードの4回1死三塁では右翼線への適時三塁打が飛び出し、3打席連続で快音を鳴らした。チャンスで無類の強さを見せ、決勝戦で完投勝利を収めた桜井を押しのけ大会MVPに選ばれた。

これまでの道のりは多難だった。報徳学園時代はイップスに陥り、大半をBチームで過ごした。「普通以下の選手だった」と苦しい3年間を送る中で、支えてくれたのが両親だった。高校、大学でアメリカンフットボールの選手だった父の文昭さんにキャッチボール相手や打撃投手を引き受けてもらったり、練習場までの送り迎えをしてもらったり。感謝の思いはいつもあったが「高校の時はあんまり試合に出てなくて…」と、自分なりの恩返しができず歯がゆかった。

東北福祉大では2年秋からレギュラーを奪取した。毎週のようにリーグ戦の観戦に訪れる父の心中を「試合に出ている自分を見るのがうれしいんでしょう」と思いやった。この日も球場に駆け付けてくれた。父の前で最高の恩返しをした。【平山連】

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