東大・スタンリー翔唯(かい)内野手(2年=早実)が司法試験に合格したことが12日、分かった。同大硬式野球部が明らかにした。日本で最難関の国家試験といわれ、現役東大生での合格できるのもほんの一握り。同大野球部関係者によると、現役部員での司法試験合格は史上初の快挙とみられる。

法務省によると今年の司法試験は1581人が合格し、そのうちスタンリーのように法科大学院を修了しなくても受験できる予備試験ルートでの合格者は428人だった。受験者数は3837人で、合格率は41・2%だった。

スタンリーは早実時代に1学年下の巨人2位早大・田和廉投手(4年)とともにプレーするも、自身は1度もメンバー入りすることなく引退した。内部進学した早大では将来を見据えて司法試験の予備試験をパスした。学業で大きな成果を出した。

一方で野球への思いを捨てきれず、スタンリーは夢の実現のために資金援助を募る人気YouTube番組に出演した。これが大きな転機となった。

23年12月。YouTubeで配信されている人気番組で、「令和の虎」の姉妹チャンネルに当たる「受験生版Tiger Funding(現・令和の虎Youth)」に出演した。志願者が己の野望をかなえるべくプレゼンして出資を募る番組で、スタンリーは「東大野球部で活躍し大谷翔平を超えたい」を掲げて挑んだ。

野球だけではなく総合力で大谷を超えるアピールが実り、虎(=出資者)たちをうならせ見事に完全オール。仮面浪人に必要な81万7000円の資金援助を受けた。24年春に東大文科三類の試験に1発合格し硬式野球部に入った。

今秋のフレッシュトーナメントでは打力を買われ主に「4番DH」として出場し、東大の4位フィニッシュに貢献。迎えたこの日、司法試験合格という吉報がもたらされた。野球も、学業も着々と夢を実現しているスタンリーにとって、残る野望は令和の虎でも熱くプレゼンした「東大野球部で活躍し大谷翔平を超えたい」ことだけだ。大きなチャンレジを突破した先に、リーグ戦56季連続最下位に沈んでいる東大の躍進が待っているに違いない。