「次」へ踏み出す時節は誰にでもある。栗山巧外野手(42)が来季限りの現役引退を決めた中、その大ベテランが一目置く若手も、決断した。是沢涼輔捕手(25)がついに退寮したことが28日、分かった。
育成契約3年目を終えた大の練習好き。部屋から徒歩3分で打撃マシン。若獅子寮と隣接する室内練習場で朝も夜も打った。究極の職住接近を存分に生かし、外食さえ少なかった。「オフの夜とか、食堂で僕1人に対してシェフ3人がいらしたこともあります」。イカの照り焼き、若獅子サンド、誕生日に作ってもらった鉄火巻き…。
3年間暮らした大卒選手は少ない。「お前はここの方がいいだろ」と昨季まで退寮勧告さえなかった。寮のヌシ、選手兼副寮長…異名もつき始める中、このオフついに「引っ越してくれ」との通達が。育成契約の後輩が増え、寮の部屋が足りない。後ろ髪は引かれない。「やっとこの時が来ました。高校から寮生活10年。ようやく独り立ちの時です」と晴れやかだ。
入団3年目も支配下登録がなく少し折れかけた。ベテラン栗山、エース今井…大勢に励まされ、来季も挑む。広池球団本部長も「彼に受けてほしいという投手が増えてきました。投手を孤独にさせない、どんな状況でも寄り添える。彼みたいなタイプの捕手は絶対に必要」と評価する。退寮したけれど1人じゃない。むしろ自転車通勤で人生の勝負をかける是沢に、より注目が集まる。【金子真仁】



