阪神伊原陵人投手(25)がヤクルトに伝わる石川雅規投手(45)の“金言”を受け取った。6日、奈良県香芝市の母校・大商大グラウンドで自主トレ公開。ともに汗を流す大学の先輩・ヤクルト大西広樹投手(28)が2年目にレジェンド左腕から言われ、宝物にしてきた助言「焦らないこと」を伝え聞いた。昨年、新人王を取りそびれ、逆襲へ鼻息が荒い伊原にとっては、何よりの言葉となる。

   ◇   ◇   ◇

緑に囲まれたグラウンドで伊原は大西先輩とともに約4時間も体を動かした。キャッチボールでは強く腕を振り、大西を驚かせる軌道のボールもあった。

「大学の時にプロに行けなかった。ここで、一生懸命やったことを思い出せる。しっかりトレーニングして、キャンプにいい形で入れるようにしたい」。

大学ではドラフト指名されず涙を流した。2年後に1位評価を勝ち取った。経緯をずっと、陰ひなたから見ていたのが3学年上の大西だった。当時は大西の運転で一緒に球場に向かうなど特別な関係を続けてきた。伊原はプロで初のオフシーズンだが、恒例の合同トレは継続は自然と決まった。そんな母校での時間は、これまで以上に貴重なものになっている。実は金言を受け取っていた。

大西が内容を明かす。「焦らないこと」「キャッチボールはゆっくり、大きく体を使う」「傾斜になったら勝手に球は速くなる」-。すべてヤクルトのレジェンド石川の教えだった。「ずっと伊原に伝えています。社会人から24歳で入っていますよね。焦るんですよ。そういうのも含めて焦らず、ゆっくり使って、ケガをせず。昨年の成績を悔しいと思いながら12月を過ごしたので、今すごい球を投げている」。“秘伝”を惜しみなく伝えてくれた。

大西は1年目にわずか5試合登板。何もうまくいかなかった2年目の春季キャンプで石川からその言葉を聞いて、好転。24年は防御率1・34、昨年は1・17と屈指のリリーバーになった。2年目のジンクスに立ち向かう伊原にとって最高の後押しになる。石川とはタイプが違うが同じ小柄な左腕という共通点がある。

相手の研究も進む2年目へ、準備は抜かりない。オフの間に本格的な動作解析も行った。「1年間、しっかりパフォーマンスを発揮するためのトレーニングや考え方を学んでいます。結果を出すのは自分なので。あまり、周りがどうとか考える必要はないかなと思います」。焦らず、着実に、自分らしくステップを踏む。【柏原誠】