笑顔なきメモリアル弾となった。広島佐々木泰内野手(23)が、2点リードの8回に待望のプロ初本塁打を記録した。阪神3番手木下のスライダーを強振した打球は左中間席最前列に飛び込んだ。
二塁ベース手前で着弾を確認すると、右手をグッと握った。ただ、プロ216打席目での記念すべき1発。一塁ベンチでチームメートの歓迎を受けても、ややうつむきながら喜びを爆発させることはなかった。
「最近の結果も結果ですし、チームに迷惑をかけているので、あまり感情的にはならなかった。うれしかったですけど、阪神も強いので気を抜かずにいこうという気持ちは強かったです」
開幕から4番を任されながら、試合前まで6試合で打率1割3分と苦しんでいた。“4番目”と割り切ることは難しかった。さらに2日ヤクルト戦ではサヨナラ負けの適時内野安打につながる当たりをグラブではじいた。誰も責められない懸命なプレーだったが「やられたのは間違いないこと。やり返さなければいけない」と自責の念にかられた。
1点ビハインドの4回には小園の左前打に続き、遊撃内野安打で好機を広げた。その後2点を奪い、逆転。昨季1勝6敗と苦手とした天敵大竹攻略にも貢献した。今季初のマルチ安打を記録しながら、土壇場の9回に追いつかれ、そして敗れた。「やっぱり打っても勝てなかったら意味がない。打って、しっかり勝てるように。あの展開でも負けることもある。本当に(チームが)きついときに打てるように練習していければと思います」。次こそ、勝利に導くアーチを描き、チームメートと喜びを爆発させたい。
▽広島新井監督(佐々木のプロ初本塁打に)「いいスイングだったと思います。まだ2年目なので、試合に出ながら成長していってもらいたい」



