立正大の高田庵冬(あんと)内野手(1年=仙台育英)が、今季5号となる左越え2ラン本塁打を放ち、戦後の東都大学野球リーグで93年今岡誠(東洋大)、2021年佐々木泰(青学大)が持つ1年春でのリーグ戦本塁打を抜き新記録を達成。本塁打トップの国学院大・石野蓮授外野手(3年=報徳学園)と並んだ。中大は1部残留を決め、最下位の東洋大は6月23日から行われる入れ替え戦に回る。

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打った瞬間、それと分かる確信弾に、高田は高くバットを振り投げ、一塁側ベンチに向けガッツポーズを見せつけた。

チームメートが背中を押した。8点ビハインドで迎えた4回、1点を返しなおも1死三塁。「あと1本で新記録。割り切って狙ってもいいんじゃないか」と、チームメートに背中を押され打席に向かい、集中力を研ぎ澄ませた。カウント3-1からの140キロ直球をフルスイング。レフトスタンドへ突き刺した。「甘い球をホームランにできてうれしい」と笑みをこぼした。

自分らしさを取り戻した。第2週の国学院大2回戦で、3号&4号本塁打を記録してから10試合沈黙。「結果を意識して、初球からのアタックができなくなり三振が増えていた。割り切って振らないと自分の良さが出ない」。気持ちを立て直し、この試合に臨んだ。

昨秋は、プロ志望届を提出したが、指名漏れ。3年後のドラフトを目指す。「つらいことがあっても、プロ野球という目標を思い出すだけで体が自然と動く。自分の成長につながる、いい目標」。悔しさを糧に高みを目指す。“高田伝説”は、まだ序章にすぎない。【保坂淑子】

◆高田庵冬(たかだ・あんと) 2007年(平19)12月12日生まれ、滋賀県彦根市出身。城南小2年で城南スポーツ少年団で野球を始め、4年から多賀少年野球クラブ。南中では滋賀野洲ボーイズでプレー。仙台育英では1年春からベンチ入り。3年夏の甲子園では2回戦の開星戦でソロ本塁打を放つ(3回戦進出)。50メートル走6秒2。遠投115メートル。好きな言葉は「夢」、高校通算32本塁打。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。