西武滝沢夏央内野手(22)はもう一人前の、堂々たるレギュラーだ。この日も5得点の4回、先頭で安打した。「少し打球を上げる意識で狙い球を待ってみろ」。円陣の指示通りに少し投手寄りに立ち、難敵九里のチェンジアップが沈み切る前に流し打ちした。

父の日に懐かしむ。「たぶん大変だったと思います。仕事でいつも疲れてたんで」。冬は雪深い新潟・上越での少年時代、練習に付き合ってもらうために職場に「早く帰ってきて」と電話したほどの野球小僧だ。心優しい父孝弘さんはたまに本当に早く帰宅し、真っ暗になる間際までノックを打ってくれた。抜群の守備の礎はそこにある。

「実は両親が昨日とおととい、見に来てくれたんですよ。今日は京都観光かな。でも大阪まで見に来てくれたのは初めてで」

試合前、うれしそうに話した。今でも5月には庭に大きなこいのぼりを掲げてくれる、故郷の家族。活躍が恩返しだ。「何とか出塁して得点に絡んで。これからも続けたいです」。戦いも日常も続く。息子は新幹線で、両親は特急サンダーバードで、それぞれの町へと揺られる。離れていても心は一つ。【金子真仁】

【父の日】西武滝沢夏央 仕事中に「早く帰ってきて」オヤジが僕に野球やらされてた