一見「何げなく」見えても、グラウンド内では想像を超えることが起きている。いや、常に声をからして跳びはね、左右に動いている西武ファンなら、想像の範囲内だろうか。
試合後に汗で前髪がおでこにひっついた西川愛也外野手(27)が明かした。「昨日も腕とかの汗が止まらんくて。ポケットにロジン入れてても、ロジン効かないんすよ。ズボンもぬれてるんで、ふいてもべちゃべちゃで」。同じ埼玉県内の2軍戦がノーゲームになるなど、関東内陸の暑さと、高い湿度は尋常でないレベルに達しつつある。
その中でも先発隅田が奮投しながら、日本ハム打線に痛打を連ねられた。点差と暑さ。明らかに集中力が切れそうな試合展開だったが、この日の西川は鋭い判断力で前後の難しい打球を、難しくなさそうに処理した。昨季ゴールデン・グラブ賞獲得の力を見せた。
敵地での楽天3連戦では打球判断のミスで頭を越された。「投手と打者の雰囲気を見て、ちょっとだけ前の(打球の)可能性が多いかなと。そこをミスしてしまって。今日は1歩目の判断をよりいっそう集中してみました」と、より厳しい環境の中で高い集中力を保ち続け、その好プレーにはファンからも拍手が寄せられた。
「汗止まらんくて」の前日から、ちょっとだけ工夫を増やした。「今日、ポケットにハンカチ入れてたんすよ」。20年前に甲子園で社会現象にもなったアイテムを、令和の今に。「ハンカチ、いいっすね」という感想からも吸水力の高さがうかがえる。案外、集中力維持へのマストアイテム、救世主になるかもしれない。【金子真仁】



