ソフトバンクが西武に勝ち、優勝マジックを2つ減らし33とした。先発前田悠伍投手(21)が7回4安打無失点。二塁すら踏ませぬ投球で開幕から無傷の10連勝。高卒3年目で自身初の10勝をマークした。高卒3年目までの10連勝はドラフト制後(66年以降)では66年に13連勝した巨人堀内に次いで2人目。ソフトバンクの近年の高卒2桁勝利は16年にプロ6年目で千賀、15年にプロ4年目で武田が記録しているが高卒3年目以内となると南海時代の76年藤田以来となる。

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ソフトバンク前田悠の10連勝を誰よりも喜んでいるのが、担当スカウトの稲嶺誉スカウト(45)だ。大阪桐蔭時代に足しげく通い細かいところまでチェックしていた。「取り組み方や意識の高さが和田とダブったんです」。同学年で02年ドラフト同期入団の左腕の和田毅球団統括本部付アドバイザー(45)と重なったと話す。

高校3年の時にはけがで苦しみ、チームも勝ちきれなかった。前田悠も社会人へ進もうか迷っていたという。面談の機会があり「そこで話す姿がしっかりしていた。高校の時から立派でしたね」と数少ない直接会う機会でさらにほれ込んだ。

高卒3年目で1軍の先発ローテーション入り。「3年で伸びるのは、本人の頑張り」とほめる。だが、春先は思うような球が投げられず悩んでいた。キャンプ中に和田氏が室内で時間をかけて前田悠にアドバイスをする場面があった。「僕がアドバイスをお願いしたんです」。野手だった稲嶺スカウト自身がアドバイスするよりも同じ左腕の和田氏の方が説得力があるだろうと、気を回した。

和田氏は22年間と長く現役を続けた。前田悠もここから長く第一線で活躍してほしい。稲嶺スカウトはそう願っている。【石橋隆雄】

▼高卒3年目のソフトバンク前田悠が開幕10連勝。開幕10連勝以上は今季の高橋(阪神)に次いで25人、28度目。ソフトバンクでは05年に15連勝の斉藤以来21年ぶり6人目。2リーグ制後、高卒3年目以内に開幕10連勝以上は65年林(南海=3年目)12連勝、66年堀内(巨人=1年目)13連勝に次ぎ3人目。

▼同一年に複数の投手が開幕10連勝は、65年南海の林と新山、81年日本ハム間柴とロッテ村田、85年ロッテ村田と西武東尾に次いで41年ぶり4度目。過去はパの2投手で、セ・パから1人ずつ記録するのは、今季の高橋と前田悠が初めて。