阪神高寺望夢内野手(23)にかける球団の期待はかなりものものだ。「神ドラフト」として名高い20年ドラフトの7位。佐藤、伊藤将ら指名9選手(育成1人)の中で、ただ1人の高校生だった。
新型コロナ禍のまっただ中。東京ドームでこの年だけ開催された「プロ志望高校生合同練習会」で評価を上げたのは有名な話。ただ、阪神は高卒の野手が育たないジンクスが長くあった。2軍で地道に実力をつけ、6年目の今季、近本の負傷離脱を機に一気に出場機会を伸ばした。骨太の育成方針を掲げる近年の阪神にとって、前川らとともに待望の存在といえる。
同学年がいない少し特殊な環境。大学経由の選手が入団してくるはずの24年ドラフトも「まさかのゼロでした」と苦笑い。最初の同い年は4年目終了後にやってきた外国人のアルナエス。今年、やっと育成で山崎が入団してきた。
順調に育ったのは周囲のサポートと本人の性格だろう。佐藤ら同期の先輩や、大勢いる1学年上の世代に支えられた。「友だちみたいな感じでみんな接してくれます。だから1人で寂しいとかはなかったですね。同学年がほしいなと思ったことはありますけど」。球団初のセ・リーグ連覇がかかる1年。このタイミングで高寺が活躍していることには大きな意味がある。【柏原誠】



