<ロッテ0-4西武>◇4日◇千葉マリン

 前代未聞の珍プレーが飛び出した。ロッテのホセ・オーティズ二塁手(30)が西武戦の5回、栗山の一、二塁間の打球をグラブを投げて止めた。野球規則7・05に抵触するため三塁打となり、痛い1点を献上した。結局0-4の完封負けで再び借金1。前日のルーキー唐川の完投勝利の勢いに水を差す痛恨の黒星を喫した。

 まるで漫画「ドカベン」の1ページのような珍プレーだった。5回、栗山の一、二塁間への打球を一塁手のズレータがタイビングして止めようとしたが、グラブに当て右前へ転々…。これを追ったオーティズが突然グラブを外して右手に持ち替えると、ボールに向かって投げ付け、止めてしまった。栗山は一塁でストップしたが、その直後に審判団が協議し、野球規則に抵触していることで「三塁打」となった。

 無死三塁から石井義の犠飛で1点を許し、リードを3点に広げられた。これで試合の流れが完全に相手に傾く痛恨のミスだった。バレンタイン監督は、ベンチ最前列で頭をかいて首をひねるしかなかった。すぐにオーティズに事情聴取したが、本人から「何をやったか分からない。魔が差した」と答えが返ってきたという。試合後には「ああいうプレーはこれからないと思う。これ以上聞かないでくれ」と、いら立った様子だった。

 オーティズ本人はルールを把握していた。アスレチックス、ロッキーズ、日本ではオリックスにも在籍したベテラン。普段は陽気な男が、さすがに落ち込んで「I

 don’t

 know。必死にボールを追い掛けていたらああいう行動に出てしまった。無意識のうちにやってしまった。今でもパニックです」と涙を浮かべながら話した。

 とっさに出たとはいえ、プロとしてあってはならないプレー。西村ヘッドコーチは「こんなプレー見たことない。これから本人と話して、繰り返すことがないようにしたい」と渋い表情だった。結局、打線はわずか3安打で今季4度目の完封負けを喫した。ルーキー唐川フィーバーに沸いた翌日だけに、後味の悪い敗戦となった。【鳥谷越直子】