WBC日本代表候補の阪神藤川球児投手(28)が29日、西宮市の鳴尾浜球場で国内初の投球練習を行った。集中するため報道陣を視界から外すと、新人選手を打席に立たせて、WBC使用球で28球を投じた。自慢のストレートにカーブ。そして国際大会用の新球ツーシームを試した。「エグイな」。捕手を務めた西口副寮長がその変化に思わず驚きの声を上げた。「順調ですよ」と球団関係者にニッコリと笑った。

 連覇を狙うWBCの「サムライジャパン」にとっては朗報だ。ストッパーでの起用が有力視されており「期待に応えたい」と自覚は十分。年をまたいで、米ロサンゼルスで自主トレを続けた。現地では早々に投球練習を解禁。27日に帰国したばかりだが、1日休暇を取っただけで、球場に現れた。05年のブレーク後、鳴尾浜球場で投球練習すること自体が珍しかった。

 2月1日から始まる阪神の沖縄キャンプでは、第1クールでフリー打撃に登板する予定。11日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)で初実戦と計画通りに調整は進みそうだ。1月の本気モードは仕上がり順調の証し。日本の守護神がサムライジャパンに安心を届ける。【田口真一郎】

 [2009年1月30日9時50分

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