WBC世界バンタム級王者井上拓真(30=大橋)が注目のリマッチを制し、2度目の防衛に成功した。挑戦者の同級1位那須川天心(28=帝拳)との約10カ月ぶりの再戦に臨み、判定3-0(114-113、116-111、116-111)勝ちを収めた。初対決となった昨年11月の同級王座決定戦では那須川にキャリア初黒星をつける判定勝利。2度目対決でも返り討ちしてみせた。井上の勝因は何だったのか。元WBC世界スーパーフライ級王者の川島郭志氏(56)が解説した。

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試合のポイントは8回だった。7回開始早々、井上は那須川の左ストレートをもらい、ダウンを喫した。そのラウンドは終始攻められた。KOも危ぶまれる状態だった。

続く8回。井上は戦法を変更する。那須川の得意のワンツーを封じるため、距離を縮めて接近戦に挑む。相手の中に入って右アッパー、ボディーブローを放つ。変わり掛けた流れをしっかりと引き戻した。

世界戦経験でいうと、那須川は前回の井上戦に続く2試合目。一方で井上は9試合目。その中には集中力を欠いて負けた堤聖也戦もあったり、自信をつけた前回の那須川戦、前戦の井岡戦もある。世界戦の試行錯誤を乗り越えた経験の差は紙一重の戦いでいきた。

那須川は最後の12回、ガードを下げて、得意のワンツーを出せる距離で戦った。この戦法をもう少し早い段階で取り入れていれば、結果は違ったのではないか。ただ、ダウンを奪った左ストレートを含めて1年間の成長は見せた。以前のような試合中のパフォーマンスは封印。勝負に掛ける気迫、集中力も見えた。まだまだ伸びしろは大きいし、もっと強くなることは間違いない。(元WBC世界スーパーフライ級王者)

【ボクシング】井上拓真、那須川天心を返り討ちしV2防衛 天心はリベンジならず/ライブ詳細