自衛隊出身ボクサーが、瞬殺28秒KOでMVPに輝いた。スーパーライト級の河田神二郎(25=宮田)は開始早々に右ストレートで2度ダウンを奪い、鮮やかに1回28秒KO勝ちを収めた。2年間の自衛隊生活で鍛えられた心身を武器に、12月20日には西軍代表を相手に全日本新人王を狙う。

 まさに電光石火のKOだった。河田はいきなりワンツーでアゴに右ストレートを見舞う。左もかぶせて開始15秒でダウンを奪った。相手の土屋は立ち上がってきたが、ラッシュから再び右ストレートで吹っ飛ばした。1発もパンチをもらわず「勝った実感がない」という衝撃のKO勝ち。文句なしのMVPになった。

 得意のパンチは左フックだが、決勝に向けて右ストレートを磨いてきた。「パターンを変えようと思った」。昨年は2戦目で敗退し、2度目の挑戦では新兵器にしたたかさを身につけていた。

 宮田会長の「上官命令」により、リング上で軽々とバック宙も披露した。友人に誘われて北海道・南幌高卒業後に自衛隊に入隊。習志野駐屯地の第1空転団に配属され、パラシュート降下なども経験した。夜中にたたき起こされての訓練など「一番きつい歩兵で、メンタルが鍛えられた」と振り返る。

 ボクシングも友人の誘いがきっかけ。「柔道でやり残していて、なんとなく格闘技がやりたかった」と話す。「プロボクサー、デビュー戦と少しずつステップアップしてきた。次は全日本でベストを」。鮮烈KOにも控えめに抱負を口にした。【河合香】

 ◆河田神二郎(かわだ・しんじろう)1990年(平2)5月16日、北海道南幌町生まれ。中学では柔道で全道8強に団体3位。13年4月に宮田ジムへ入門し、12月に1回TKO勝ちでプロデビュー。172センチの右ボクサーファイター。戦績は5勝(5KO)1敗1分け。父と姉2人に兄の5人家族。現在は会社員で、メッキ塗装などが仕事。趣味は熱帯魚鑑賞。